JACLaP WIRE No.39 2001.07.09

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   本メールは日本臨床検査医会の発行する電子メール新聞です。
     ◇印はJACLaP NEWS No.59に掲載された内容です。
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[寄    稿]◇医学教育改革 ごく当たり前のことを、当たり前にしよう
[お知らせ-1]◆第21回世界病理学臨床検査医学会議(WASPaLM)参加の抄録締切日の延長←NEW 
[お知らせ-2]◆第3回国際実験診断学会について←NEW 
[お知らせ-3]◆第48回日本臨床検査医学会総会事務局よりお知らせ←NEW 
[お知らせ-4]◆第9回 GLM・WS←NEW 
[お知らせ-5]◆ Lab CP19巻1号の全内容をホームページに表示←NEW 
[お知らせ-6]◆会員動向(2001年6月29日 現在数 603名 臨床検査専門医 399名)←NEW 
[お知らせ-7]◇平成13年度第2回全国幹事会議事録
[お知らせ-8]◇第19回日本臨床検査医会振興会セミナーのご案内 
[お知らせ-9]◇第21回日本臨床化学会夏期セミナーのお知らせ 
[お知らせ-10]◇第48回臨床検査医学会総会開催のお知らせ 
[ニュース-1] ◆たばこは子供の権利を妨害する←NEW
        <WHOトピックス Press April 2001 WHO-148>
[ニュース-2] ◆成人女性と少女が罹患するたばこ関連疾患の防止をWHOが要望←NEW
        <WHO トピックス Press May 2001 WHO-149>
[新規収載検査-1] ◇ヘリコバクター・ピロリ抗体
[新規収載検査-2] ◇マトリックスメタロプロテイナ-ゼ-3(MMP-3)精密測定
[新規収載検査-3] ◇抗LKM-1抗体精密測定
[新規収載検査-4] ◇白血球中細菌核酸同定検査
[新規収載検査-5] ◇結核菌群抗原精密測定
[新規収載検査-6] ◇HER2/neuタンパク
[新規収載検査-7] ◆抗抗酸菌抗体価精密測定←NEW
[声の広場-1] ◇第43回検査医会教育セミナーを主催して
[声の広場-2] ◇第11回日本臨床検査医春期大会を主催して
[声の広場-3] ◇「DRG/PPSの医療へのインパクト:保険医療システムの変革を考えるセミナー」に参加して
[声の広場-4] ◇「バングラディッシュでの感染症専門医研修を終えて」
[声の広場-5] ◇“医療事故頻発”に想う
[声の広場-6] ◇「評価と報酬」
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[寄 稿] ◇医学教育改革 ごく当たり前のことを、当たり前にしよう
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 「変革」を掲げた「変人」が自民党の総裁に選出され、新しい総理大臣になった。
政治の現状に強い危機感をいだいた一般党員の願いが、時代の変化に対応できない
不透明な派閥政治の殻を打ち砕き、それが国民の期待と支持につながった。昨今、
高等教育機関においても構造改革のうねりは大きい。国立大学は独立行政法人化へ
動き、大学院制度に重点をおいた拠点整備が進行している。医学研究の分野でこそ、
日本が世界と肩を並べられるのは、グローバルスタンダードとされる主に米国の「
学術研究雑誌」に論文を発表するようになったからである。この際、わが国の臨床
研修が、どのような水準であったのかを謙虚に分析し、次世代の医師の育成をしよ
う。日野原重明、若月俊一、故武見太郎らの大先輩諸氏が、わが国の医学教育・専
門医制度の問題点を、いずれも大学外から指摘されたのは約40年も前のことである。
縦割りの閉鎖的な学閥、講座制の厚い壁、学位制度に支えられたシステムでは、国
際基準に適合した、医師の育成はできないことを大学人たちが認めざるをえない状
況になった。医学教育に関しても研究と同様に国際的な評価に耐えうる整備をすべ
きである。このような基準により日米の教育システム・構造上の違いをみると、医
学教育全般に関わる教員数の圧倒的な差もさることながら、臨床検査医学に限って
みても教授会構成員はもとより、この分野を専門的に担当する教員ですら、米国
Anatomic pathologist/Clinical pathologistの実際に疎いという事実は残念なこと
である。今こそ、臨床検査医学講座・臨床病理学講座設置の本来の目的を遵守し、
医療のprofession・高度専門職業人の養成を目的とした講座運営に徹すべきである。
 改革とは、非日常的なこと、今までの歴史的流れの否定する破壊的行為ととられ
がちであるが、そうではない。真の改革とは、国民にとって、「ごく当たり前のこ
とを目指して、本来の当たり前の姿に戻す変化である」ことにすぎない。
(日本臨床検査医会教育研究委員長 熊坂一成)
 

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[お知らせ-1]◆第21回世界病理学・臨床検査医学会議(WASPaLM)参加の
抄録締切日の延長←NEW
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 一般演題抄録(ポスター発表)の締切が、3月31日までになっておりましたが、
締め切り日を6月15日(金)まで延長することになりました。奮って応募下さい。
 抄録をパソコンで送る場所はWASPaLMの「Online Abstract Form」となって
いる (http://www.waspalm2001.org/)
 

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[お知らせ-2]◆第3回国際実験診断学会について←NEW
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下記の要領で第3回国際実験診断学会が開催されますのでぜひ参加下さい。
日  時:2001年10月25日〜29日
場  所:Huangshan City, Anhui Province, China
     (黄山 安徽省  南京から南へ250kmにある世界遺産の景勝地)
抄  録:800 words以内 用紙なし
抄録締切日:6月30日
抄録送付先のE-メール:jyxi@mail.ahbbptt.net.cn
登録料:本人150$   同伴者 100$
宿泊代:本人100$/日  同伴者 50$/日
連絡先:Dr.Yang Qi Dept. of Medical Laboratory Science,
    Bengbu Medical College, Anhui, 233003,China
Tel:0552-3066412-2030
日 程:10月25日 17:30〜18:30 開会式
    10月26〜28日    会議
    10月28日 18:30   閉会式
  

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[お知らせ-3]◆第48回日本臨床検査医学会総会事務局よりお知らせ←NEW
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 本年の総会は夏休み期間中の開催でもあり、横浜周辺のホテルは混雑が予想され
ます。総会参加予定の皆様は、宿泊のご予約をお早めになさっていただきますよう
お願い申し上げます。間際の予約ですと、ご希望に添えない場合もございます。宿
泊の申込用紙は「臨床病理」49巻5号巻頭に掲載されております。またWEB上で
もお申し込みできます。
 検査2001ホームページ( http://square.umin.ac.jp/jslm48/kensa2001/)
より宿泊予約のページへお入り下さい。
 

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[お知らせ-4]◆第9回 GLM・WS←NEW
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第9回 GLM・WSは無事終了し、以下の方々が修了証書を受けました。

参加者氏名    所   属
新井 冨生    東京都老人医療センター   臨床病理科
遠藤 久子    東京大学医学部附属病院分院 検査部病理
大田 俊行    産業医科大学        中央臨床検査部
河野 幹彦    自治医科大学        臨床検査医学
倉辻 忠俊    国立国際医療センター    臨床検査部
玉真 健一    群馬大学医学部       臨床検査医学教室
辻本 正彦    大阪警察病院        臨床病理科
中島 収     久留米大学医学部      第一病理学教室
長嶋 洋治    横浜市立大学医学部     病理学教室
福田 敏郎    福岡赤十字病院       病理部
藤原 恵     広島赤十字・原爆病院    病理部
眞船 直樹    北海道大学大学院医学研究科 病態医科学
山鳥 一郎    国立岡山病院        臨床検査科

第9回WSまでのGLM・WS参加施設
(  )はWS参加者の当時の所属施設で参加者がその後、移籍等で現在は
不在の施設

国立、公立大学および短期大学(31校)
北海道大学、旭川医大、(秋田大学)、東北大学、山形大学、福島県立医大、
信州大学、群馬大学、防衛医科大学校、東京大学、東京医科歯科大学、横浜市大、
千葉大学、(筑波大学)、神奈川県立衛生短期大学、浜松医大、名古屋大学、
三重大学、京都大、京都府立医科大学、広島大学、広島県立福祉短期大学、
岡山大学、山口大学、鳥取大学、島根医科大学、高知医科大学、(徳島大学)、
九州大学、大分医大、(鹿児島大学)

私立大学(22校)
獨協医科大学、自治医科大学、埼玉医科大学、日本大学、順天堂大学、慈恵医大、
昭和大学、杏林大学、(北里大学)、(日本医科大学)、東邦大学、東京医科大学、
東京女子医大、帝京大学、東海大学、近畿大学、関西医科大学、大阪医科大学、
川崎医大、福岡大、産業医大、久留米大

その他の参加施設(37施設)
私立東葛病院、(国立健康栄養研究所)、(財)東京都保険医療公社 東部地域病院、
天理よろづ相談所病院、市立四日市病院、川田クリニック、香川県立中央病院、
株式会社シ-・ア-ル・シ-、日本医学臨床検査研究所、青森労災病院、
山口県立中央病院、佐久総合病院、国立弘前病院、京都第一赤十字病院、
東京都神経科学総合研究所、甲府共立病院、(関東逓信病院)、
愛知県コロニー発達障害研究所、国立南和歌山病院、広島市立安佐市民病院、
祐生会みどりヶ丘病院、愛知県がんセンター、飯田市立病院、
日本赤十字社医療センター、大阪府立病院、京都第二赤十字病院、呉共済病院、
自衛隊中央病院、神奈川県立がんセンター、東京都老人医療センター、
国立国際医療センター、大阪警察病院、福岡赤十字病院、広島赤十字・原爆病院、
国立岡山病院

GLM・WS未参加校(医学部ないしは医科大学)
国立、公立大学(22校)私立大学(7校)

                 (日本大学医学部臨床病理学 熊坂一成)
 

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[お知らせ-5]◆Lab CP19巻1号の全内容をホームページに表示←NEW
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 Lab CP19巻1号の全内容(図表も含め)をホームページに掲載しましたのでご覧
下さい。今後このような形式で掲載します。

 
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[お知らせ-6]◆会員動向
      (2001年6月29日 現在数603名 臨床検査専門医399名)←NEW
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人事消息
《退 職》
 諏訪部 章  山形大医学部臨床検査医学助教授
《就 任》
 諏訪部 章  岩手医大医学部臨床検査医学教授
 村上 正巳  群馬大医学部臨床検査医学教授
 芳野  原  東邦大学大森病院臨床検査医学教授
 佐川 公矯  久留米大学医学部臨床検査部教授
 村上 俊一  国立精神・神経センター国府台病院臨床検査部長
 菅野  勇  帝京大学市原病院臨床病理部教授

《講座名変更》
 東京医科大学 臨床病理学講座から臨床検査医学講座へ変更(4月1日)

《入会》
 菅野  勇   帝京大学市原病院臨床病理部中央検査部
 山崎  修道  (株)三菱化学ビーシーエル
 黒田  仁   東北大学大学院医学研究科分子診断学
 土井  俊夫  徳島大学医学部臨床検査医学
 岩崎  泰正  名古屋大学医学部附属病院検査部
 春木  宏介  杏林大学医学部感染症学教室
 河野  幹彦  自治医科大学臨床検査部
 金井 信一郎  信州大学附属病院中央検査部
 森内  昭   大分市医師会立アルメイダ病院

《退会》
 村上 榮、菊池 孝、松岡 瑛、穴井 元昭
 
《訃報》
 武内 望    前愛媛大学臨床検査医学教授

 
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[おしらせ-7]◆平成13年度第2回全国幹事会議事録←NEW
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○日  時:平成12年4月21日(土)11:45〜12:45
○場  所:大阪市立大学医学部学舎4F  小会議室
挨拶:河野会長
1.報告
○各種委員会
1) 情報・出版委員会(森委員長)
・会誌について:LabCP19巻1号は、締切日を2月末から3月末に延長したが
2名原稿が届かないまま3月27日原稿を印刷所に回した。現在校正中で5月中旬
に出版予定である。
・JACLaP NEWSについて:松野容子主幹が米国留学のため、満田年宏先生
(横浜市立大学)に交代する。
・JAPLaP WIREについて:月1回のペースで会員275名、振興会員55名に
メールで送信している。
・ホームページについて:検索機能を業者に依頼した。
・ラボ解説について:日衞協の雑誌「ラボ」に一般向けの検査についての解説を
行っている。
2) 教育・研修委員会(熊坂委員長)
・第42,43回教育セミナーは日本大学、大阪医科大学で開催された。
3) 資格審査・会則改定委員会(渡邊委員長)
・会則改定の原案ができ上がった。審議して頂く。
4) 渉外委員会(村井委員長)
・第19回振興会セミナーが7月13日(金)に東京ガーデンパレスで開催される。
テーマは「21世紀の臨床検査を考える」。
(1) 日本臨床検査医学会の方向性 日本臨床検査医学会副会長  渡邉清明先生
(2) 検査室運営の立場から 香川県立中央病院副院長  桑島 実先生
(3) 診断薬企業の戦略 ロシュ・ダイアグノスティックス(株)社長 平手晴彦先生
(4) 遺伝子検査の将来  Japan Genome Solution Inc.  窪田規一先生
(5) 医療行政について  厚生労働省保険局医療課長  松本有希雄先生
5) 未来ビジョン委員会(西堀幹事)
・ワーキンググループのテーマと取りまとめ幹事が決定した。
(1) 臨床検査医学教育プログラムWG:下 正宗、石田 博
臨床検査医学教育プログラム開発のためのアクションプラン(シラバスの作成、
教科書の作成、卒後基礎研修および教育技法の講習会を含む)
(2) 遺伝子検査標準化WG:舩渡忠男、西堀眞弘
遺伝子検査標準化のためのアクションプラン(他学会等の動きや遺伝子検査実施状
況の調査、精度保証とEBMの視点からの検討、標準化マニュアルの作成等を含む)
(3) ISO取得支援WG:西堀眞弘
ISO取得支援のためのアクションプラン(取得要件の調査、講習会の開催および
立入指導を含む)
(4) 健診事業参入検討WG:市川徹郎、堀川龍是
健診事業参入企画書
(5) 広報委員会設置提案WG:市川徹郎、下 正宗、西堀眞弘
広報委員会(臨床医のみならず一般市民の認知を得るための広報業務を行う)
設置提案書
6) 第11回検査医会春季大会(巽大会長)
・参加会員95名と盛会である。
7) その他
2. 審議事項
1) 会長、監事選挙について
高木選挙管理委員長から説明があり了承された。
・会長、監事選挙を5月10日投票用紙発送、5月31日締め切りで行う。
・会長選挙では過半数に達する被選挙者がいない場合は6月20日発送、7月13日
締め切りの決選投票を行う。
2) 平成13年度検査医会総会・講演会の件
3 )第12回検査医会春季大会長の件
濱崎直孝教授(九州大学)から開催説明があり、了承された。
4) 会則改定について
渡邊会則改定委員長から有効会員、振興会員、選挙管理委員会の明確化について
説明・改定文の提示があり、承認された。8月の総会で承認を得ることになった。
第5条 本会の会員は正会員、準会員、有効会員、名誉会員および振興会員とする。
4 有効会員は満70歳を過ぎた正会員で、幹事会で推薦し、総会で承認された者。
5 名誉会員は本会に多大な貢献(会長、監事1期以上、全国幹事2期以上、春季大
会長、その他)
6 振興会員は本会の目的に賛同し、会費年額一口100,000円を一口以上納入する
者または団体。
第22条 会長は選挙管理委員若干名を任命し、選挙管理委員会を組織する。
2 選挙管理委員会は会長ならびに監事の選挙に関する業務を管理する。
第22条→第23条
第23条→第24条
第24条→第25条
第25条を削除
附則
3 (1)日本臨床検査医学会会員
認定医→専門医
7) ISOの最近の動向への対応(河合監事)
未来ビジョン委員会にWGは新設され、そちらで討議することになった。
8) 臨床検査医会と臨床検査医学会の違いを明確にする必要性、学会内での位置づけ
の検討(岡部幹事)

 
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[おしらせ-8]◇第19回日本臨床検査医会振興会セミナーのご案内
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1. 日時  平成13年7月13日(金)14:00〜17:00
2. 場所  東京ガーデンパレス
文京区湯島1-7-5 TEL03-3813-6211
3. 講演  「21世紀の臨床検査を考える」
(1)日本臨床検査医学会の方向性
日本臨床検査医学会副会長  渡邉清明先生
(2)検査室運営の立場から
香川県立中央病院検査部長  桑島  実先生
(3)診断薬企業の戦略
ロシュ・ダイアグノスティックス(株)社長 平手晴彦
(4)遺伝子検査の将来
Japan Genome Solution Inc.  窪田規一
(5)医療行政について
厚生労働省保険局医療課長  松本有希雄先生

 
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[お知らせ-9]◇第21回日本臨床化学会夏期セミナーのお知らせ
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テーマ:分析記述の進歩と健康  21世紀への臨床化学
主  催:日本臨床化学会
実行委員長:田畑勝好(京都大学医療技術短期大学部、TEL075-751-3936)
会  期:平成13年7月18日(水)〜7月20日(金・祝)
会  場:琵琶湖ホテル(大津市浜町2-40)
ホ-ムペ-ジ:http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/JSCC
プログラム
特別講演・教育講演
1.健康日本21の指標
2.幹細胞研究の再生医療への応用
3.中央アジア砂漠地帯における水利用と環境問題
4.犯罪の科学捜査分析
1.京都・大津と琵琶湖疏水
2.蚊の吸血機構を採り入れた自動採血の試み
シンポジウム・ナイトセミナー
1.健康と臨床化学
2.酸化LDLの最近の動向
3.脈管作動性物質研究の最前線
4.遺伝子診断の最新の技術と問題点
5.臨床検査の国際規格とその対応:ISO国際規格
6.腸管感染症と臨床検査
1.尿試験紙検査標準化
2.公開討論会「あらためて問う“21世紀の臨床化学のあり方”
専門委員会プロジェクト報告
第18回国際臨床化学会議に関する報告討論会
ラウンドテ-ブルデイスカッション
(詳細はホームページをご覧ください)

 
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[お知らせ-10]◇第48回臨床検査医学会総会開催のお知らせ
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 平成13年、私たちは21世紀への第一歩を踏み出しました。この記念すべき年に
あたり、新たな試みとして、第48回日本臨床検査医学会総会と第41回日本臨床化
学会年会の連合大会-検査2001-をパシフィコ横浜にて開催します(会期:平成13
年8月26日(日)〜29日(水)4日間)。
 今年は、昭和26年に日本臨床検査医学会の前身である第1回臨床病理懇談会が開
催されてから、50年目を数える節目の年です。この間、目覚ましい発達を遂げた医
学の世界において、臨床医学は常に最新の技術を駆使して病態把握、病因解明に寄
与してきました。その役割の大きさは現在も変わることはありせんが、平成12年
11月の第47回日本臨床病理学会総会において、日本臨床病理学会は、日本臨床検
査医学会と名称が変更され、名称変更後初の総会となります。
 日本臨床化学会につきましても戦後はじまった医化学シンポジウム、臨床化学分
析研究会などの流れが統合され、1961年に日本臨床化学会として新らたな歩みを始
めてから40周年を迎えます。会場は新世紀への船出に相応しい場所をと考え、海を
間近に望むパシフィコ横浜を選びました。会場は桜木町駅に近く、展示会場は講演
会場と同じ施設内にあり、展示をご覧になる時間も十分に取れるようなプログラム
になっています。既に、一般演題の申し込む受付は終了し、プログラム委員会が開
催され、目下、最終的なプログラムの編成作業に入っております。
 以下に、主なプログラム(講演者)をご紹介します。
【会長講演】
「臨床検査医学と臨床化学の架け橋」(櫻林郁之介)
【特別講演】
1.「臨床病理学会創立50周年記念講演」(河合 忠)
2.「ヒトゲノム解析研究の展望」(清水信義)
【招待講演】
「骨はどのように形成され破壊されるか-骨形成と骨破壊のメカニズム-」(須田立雄)
【シンポジウム】
7つ開催します。
シンポジウム1:東南アジアの臨床検査精度管理
シンポジウム2:薬物相互作用
シンポジウム3:検査法開発と病態解明へのアプローチ
シンポジウム4:ポストゲノムに関する諸問題
シンポジウム5:日本のAP・CP卒後教育カリキュラム
シンポジウム6:血液形態検査の標準化に向けて
(日本検査血液学会との共催)
シンポジウム7:感染症の診療支援 臨床検査医と微生物検査技師の役割
(日本臨床微生物学会との共催)
今回、これも初めての試みですが、日本検査血液学会および日本臨床微生物学会と
の共催のシンポジウムに関しては、その団体の会員がそのシンポジウムのみに参加
する場合は、3,000円のみで聴講できます。
【フォーラム】
「DRG/PPS対応臨床検査(PART II)」として脳梗塞・脳出血、気管支喘息、急性心
筋梗塞、慢性腎不全、多発性骨髄腫、胃潰瘍、肺結核の各疾患別の演題が予定され
ています。
【市民フォーラム】
 一般市民の方に私たちの学会の存在をご理解していただくために市民フォーラム
を2つ開催します。その一つは、シドニーパラリンピック金メダリストの成田真由
美様に「自分の可能性を求めて」をお話をしていただき、もう一つは、「栄養の諸
問題一臨床検査を中心に一」を橋詰直孝教授に企画していただきました。
 会期は例年より約2ヶ月早まっており、夏休みも終盤の8月末という、参加しや
すい期日になっております。宿泊・観光のお申し込みは、「臨床病理」49巻(5号)
の綴じ込み、ないしは-検査2001-のホームページ
(http://square.umin.ac.jp/jslm48/kensa2001/)もご利用できます。多数の会員が
ご参加くださるよう期待しております。
第48回日本臨床検査医学会総会 総会長 河野 均也(日本大学教授)
第41回日本臨床化学会年会 年会長 櫻林郁之介(自治医科大学教授)
第48回日本臨床検査医学会総会・第41回日本臨床化学会年会
連合大会統括事務局 実行委員長:日本大学医学部臨床病理学 熊坂 一成
 
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[ニュース-1]◆たばこは子供の権利を妨害する←NEW
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                <Press April 2001  WHO-148>
 WHOは「たばこと子供の権利」というリポートを発表し、子供をたばこの害から
守るよう各国に要請している。毎年、約400万人がたばこ関連の病気にかかってい
るが、2030年にはたばこによる死者は1年間で1,000万人にもなると予想されてい
る。たばこの犠牲者の多くは子供である。もし現在のペースでたばこの消費が続く
とすれば、将来2億5000万人の子供がたばこ関連の病気にかかり死亡することに
なる。大多数は少年時代にたばこを吸い始めて、ニコチン中毒になり成人になって
もやめられない状況になっている。たばこ会社が1年あたり数十億米ドルの広告費
を使うことにより、子供が喫煙に走る。
 たばこは子供に対する直接的な喫煙の悪影響だけでなく、間接喫煙も問題である。
約7億人(全世界の子供の半分)が、間接喫煙により汚染した空気を吸っている。
アルゼンチン、ブラジル、中国、インド、インドネシア、マラウイ、米国、ジンバ
ブエなどでは、子供がたばこを生産する仕事に携わっている。
 たばこ消費を抑制することで、子供の権利妨害の防止、健康と福祉を増進させる
ことになる。
       (獨協医科大学越谷病院臨床検査部 森  三樹雄)

 
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[ニュース-2]◆成人女性と少女が罹患するたばこ関連疾患の防止をWHOが要望←NEW
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                <Press May 2001  WHO-149>
 成人女性と少女が罹患するたばこ関連疾患は、若い女性がたばこを早くから吸い
始めることや、数百万人の女性が受動喫煙により被害を受けているのが原因と考え
られている。WHOのBrundtland事務局長は、「受動喫煙は健康上の重要な問題
である」と述べている。アジア地域では、60%以上の男性が喫煙者であるため、数
百万人の成人女性や子供が受動喫煙によるたばこ関連疾患で苦しんでいる。親が喫
煙すると子供はぜんそく、乳幼児突然死症候群、気管支炎、風邪、肺炎などに罹患
し易い。世界的な統計では女性が約12%、男性が約48%が喫煙している。女性の喫
煙率が24%と高い国もある。女性の喫煙率が高い国では、男性と同様、たばこ関連
疾患で死亡する人が増えている。
 妊娠女性では喫煙や受動喫煙の影響で流産や低体重新生児出産を起こしやすく、
他の感染にもかかりやすくなる。成人女性喫煙者は、不妊症、早期閉経、骨密度の
減少などをきたす。喫煙女性がたばこ関連疾患として肺、口腔と咽頭、食道、喉頭、
膀胱、すい臓、腎臓、子宮頚部などにがんが発生し大きな問題になっている。各国
は、公共の場所での喫煙禁止とたばこ広告の禁止を行うべきである。
        (獨協医科大学越谷病院臨床検査部 森  三樹雄)

 
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[新規収載検査-1]◇ヘリコバクター・ピロリ抗体
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感染症血清反応
ヘリコバクター・ピロリ抗体(準用先区分D012-7)(区分D-2)
保険点数:70点 定性検査
判定:反応窓が青色に発色した場合は陽性
製品名:イムノカード H.ピロリ抗体
製造元:Meridian Diagnostics, Inc., Cincinnati, Ohio, U.S.A.
輸入・発売元:(株)テイエフビー Tel:03-5951-1186
測定法:EIA法(簡易法) 30テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:約6〜8分  自動化:不可
検体:血清、血漿・全血(EDTA、クエン酸ナトリウム、ヘパリン)
【特徴】ヘリコバクター・ピロリ抗原を固相したメンブレン上で血中抗ヘリコバク
ター・ピロリIgG抗体を捕捉し、アルカリフォスファターゼ標識抗ヒトIgG抗体を
用いた発色反応により検出を行う簡易型のEIA法を原理としている。
 本キットはヘリコバクター・ピロリ抗体を測定する簡易検査法で、内視鏡検査を
伴わず非侵襲的にヘリコバクター・ピロリの検出を行うことができる。本キットは
他法(ELISA法)に対し、有病正診率94.3%(33/35例)、無病正診率87.5%(
21/24例)と、ほぼ同等の性能を有する。測定操作は検体、試薬の滴下のみと簡素
化され、測定時間も6〜8分と短く、血清、血漿、全血を用いて検査が可能であるな
どの特徴がある。
【保険請求上の注意】JACLaP NEWSのNo.56/2000.12を参照のこと。
【文献】Abrams C., et al.:Evaluation of Three Immunologic Methods for 
Detection of Antibodies to Helicobacter pylori. American Society 
Microbiology, Abstruct, 1995.

 
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[新規収載検査-2]◇マトリックスメタロプロテイナ-ゼ-3(MMP-3)精密測定
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自己抗体検査
マトリックスメタロプロテイナ-ゼ-3(MMP-3)精密測定(準用先区分D014-10) (区分D-1)
保険点数:190点        定量検査
基準範囲:男性 130ng/mL以下 女性 55ng/mL以下
直線性:12.5〜400ng/mL
製品名:パナクリアMMP-3
製造・発売元:富士薬品工業(株)  TEL:0766-26-4423
測定法:EIA法   43テスト/キット(ダブル測定)
結果がでるまでの時間:約3時間  自動化:可
検体:血清
【特徴】MMP-3分子上の異なる部位を認識する2種類のモノクロ-ナル抗体を用い
た1ステップサンドイッチEIA法である。MMP-3、抗体結合ビ-ズ酵素標識抗体反
応により三者の複合体が形成される。次にこの複合体の酵素活性測定により、血
清中のMMP-3濃度が求められる。わが国のRA(慢性関節リウマチ)確定患者数は
33万人、RAが強く疑われる人は60万人いるといわれている。RA患者のうち進行が
速いタイプは全患者の35%を占めているが、適切な治療により改善する可能性が
ある。
 本キットは2種類のモノクロ抗体を用いたサンドイッチEIA法によりMMP-3を
測定するものである。MMP-3は関節破壊を予測する因子として、RA患者の早期診
断、治療、経過追跡に有用で、早期治療により関節の破壊や変形を防止し、患者の
障害を少なくすることができる。RA患者の診断や治療の指標としてMMP-3、CA・
RF(抗ガラクト-ス欠損IgG抗体)、RF(リウマトイド因子)などがある。RAと確定診
断された患者について、これら3つの検査の有病正診率をみると、それぞれ91.7%、
81.7%、70.4%とMMP-3が良好であった。また、無病正診率は、それぞれ85.9%、
78.9%、83.4%であった。MMP-3が高値持続症例では関節破壊が進行している。
その他の膠原病での有病正診率は、SLEで86.7%、23.3%、3.6%、シェ-グレン症
候群で40.0%、70.0%、50.0%、MCTDで54.3%、68.6%、60.6%であった。
【保険請求上の注意】D015血漿蛋白免疫学的検査の(10)「21」のIgG型リウマチ
因子精密測定、「17」のC1q結合免疫複合体精密測定、「19」のC3d結合免疫複
合体精密測定及び「20」のモノクロ-ナルRF結合免疫複合体精密測定ならびに区分
「D014」自己抗体検査「10」の抗ガラクト-ス欠損IgG抗体精密測定およびマトリ
ックスメタロプロテイナ-ゼ-3(MMP-3)精密測定のうち2項目以上を併せて実施し
た場合には、主たる点数のみを算定する。
【文献】H.Yamanaka, et al.:Serum matrix metalloproteinase 3 as predictor of 
the degree of destruction during the six months after measurment in 
patients with early rheumatoid arthritis,Arthritis & Rheumatism,43:
852-858,2000

 
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[新規収載検査-3]◇抗LKM-1抗体精密測定
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抗LKM-1抗体精密測定(準用先区分D014-18)(区分D-1)
保険点数:360点 定量検査
基準範囲:Index値  15未満陰性
製品名:MESACUP LKM-1テスト
製造・発売元:(株)医学生物学研究所 TEL 052-971-2081
測定法:ELISA法 96テスト/キット(ダブル測定)
結果が出るまでの時間:約150分 自動化:可
同時再現性:1.0-9.0%   日差再現性:2.6-8.0%   検体:血清
【特徴】CYP2D6リコンビナント蛋白質を感作したマイクロカップに、検体(抗
LKM-1抗体)及び陰性・陽性標準液を添加し、さらにペルオキシダ-ゼ標識抗ヒト
IgG及びペルオキシダ-ゼ標識抗ヒトIgMを添加して抗原・抗体・酵素標識抗体の免
疫複合体を形成させる。これに酵素基質(過酸化水素及びテトラメチルベンチジン)
を添加し、発色させる。反応停止後、吸光度(A450)を測定し、検体中の抗LKM-1
抗体の量を測定する。
 肝機能異常が認められた場合の疾患には、ウイルス性肝炎、アルコ-ル性肝炎、薬
剤性肝障害、自己免疫性肝炎(AIH)などがある。AIHの診断には、患者血清中に自己
抗体の存在を証明することが重要である。AIH-I型では抗核抗体が陽性となるのに
対し、AIH-II型では抗LKM-1抗体が陽性となる。抗LKM-1抗体は、C型肝炎で
も一部陽性となり、そのため本来のAIH-II型に陽性像がみられるものをAIH-II a、
 C型肝炎に陽性像がみられないものをAIH-II bと区別している。抗LKM-1抗体
の検出は、齧歯動物の腎組織を基質として用いた近位尿細管上皮細胞の蛍光像によ
り判定してきたが、この方法は手技が複雑で、日常検査として普及していない。こ
れに対し、抗LKM-1抗体は血中の抗体価を日常検査として自動分析器で測定でき
る。
抗LKM-1抗体のEIA法と間接蛍光抗体法(IF法)との相関をみたところ、99.3%
(664/669)に判定の一致がみられた。その内訳はAIH-II型で100%、AIH-I型
で97%、PBCで98.7%であった。IF法を対照にとり、抗LKM-1抗体での有病正
診率は100%(30/30)、無病正診率は99.2%(634/639)であった。以上のよ
うなことから抗LKM-1抗体検査は日常検査として使用できる。
【保険請求上の注意】抗LKM-1抗体精密測定はウイルス肝炎、アルコ-ル性肝障害
及び薬剤性肝障害のいずれでもないことが確認され、かつ、抗核抗体陰性の自己免
疫性肝炎が強く疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。本検査を
実施した場合は、診療報酬明細書の摘要覧に抗核抗体陰性である旨を記載すること。
【文献】宮川 浩:自己免疫性肝炎II型の診断におけるチトクロ-ムP450 IID6リコ
ンビナント蛋白を固相化した抗LKM-1抗体測定キットの有用性-4施設共同研究-,
医学と薬学 44:121-130,2000

 
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[新規収載検査-4]◇白血球中細菌核酸同定検査
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細菌培養同定検査
白血球中細菌核酸同定検査(準用先区分D018-4)  (区分D-1)
保険点数:180点     定性試験
製品名: ハイブリゼップ「SA」 ハイブリゼップ「SE」 ハイブリゼップ「PA」
ハイブリゼップ「EF」 ハイブリゼップ「EK」など5品目
製造・発売元:扶桑薬品工業(株)  TEL06-6969-3131
測定法:in situ  ハイブリダイゼ-ション法 10回テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:8時間00分  自動化:開発中
検体:全血
【特徴】感染症は、局所から侵入した細菌が侵入部位を足掛かりとして血液中に移
行し、増殖することにより全身感染症に進展する。「ハイブリゼップ」は、白血球
に貪食された菌体DNAをハイブリダイゼ-ション法により直接検出することを基本
原理とする。
 敗血症での血液培養陽性率は10-20%といわれ、残りの80%の患者は原因菌が同
定されないまま治療が行われている。初期の敗血症では、好中球に貪食された細菌
は生き残り、それが敗血症を引き起こすと考えられている。また貪食された細胞の
蛋白は、約3時間で消化されるが、DNAは12時間まで残存する。このことより患
者白血球中の細菌のDNAを同定すれば、敗血症の原因菌が証明できる。今回の5
種類のキットを用いると、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、緑濃菌、腸球菌、大
腸菌群が8時間で診断できる。
 本キットはその検出原理において起因菌の増殖を必要とせず、抗菌薬の影響を全
く受けないため、本法と血液培養法の検出率はそれぞれ42.1%(123/292例)と
11.0%( 32/292例)となり、検出率は血液培養法に比べ4倍と高くなる。血液
培養法では、検査結果を得るまで5-7日を要するのに対し、本キットは8時間で
検査結果が得られる。
【保険請求上の注意】特になし
【文献】Shimada, J et al.: Clinical trial of in-situ hybridization method for the 
rapid diagnosis of sepsis. J Infect Chemother, 5:21-31,1999

 

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[新規収載検査-5]◇結核菌群抗原精密測定
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抗酸菌同定検査
結核菌群抗原精密測定(準用先区分D021-2)  (区分D-1)
保険点数:330点    定性検査
製品名:キャピリアTB
製造元:(株)タウンズ  TEL 0559-25-6200
発売元:日本ベクトン・ディッキンソン(株) TEL 03-5413-8380
測定法:免疫クロマトグラフィ-法 5テスト/キット(5回測定)シングル測定
結果がでるまでの時間:培養陽性検体入手後 15分 自動化:不可
同時再現性:100%  日差再現性:100%
検体:抗酸菌培養陽性検体
【特徴】結核菌群が特異的に菌体外に分泌するMPB64タンパクを免疫クロマトグ
ラフィ-法により検出する。本法は、検体がメンブレン上を移動する際、検体中の
MPB64と金コロイド標識抗体及びメンブレン上に固定された捕捉抗体により形成
される赤紫色のラインを目視で判定する結核症は本邦で新患者が年間5万人発生し、
約3千人が死亡する重篤な感染症のひとつである。特に集団発生例が報告されるよ
うになり、1999年10月に厚生省より緊急事態宣言が発せられた。また結核菌群以
外の非結核菌性抗酸菌症も近年増加にあり、結核菌群との鑑別が重要である。本品
は、核酸プロ-ブ法に匹敵する感度と特異性があり、操作も簡便で短時間(15分)に結
果が得られる。また、測定操作が全て安全キャビネット内で行う。本法と他法(アキ
ュプロ-ブ結核菌群同定)と比較すると有病正診率は100%(56/56例)、無病
正診率は98.2%(55/56例)であった。
【保険請求上の注意】D21抗酸菌同定検査の(1)「2」のその他の同定検査について
は、検査方法、培地数にかかわらず、1回のみ所定点数を算定する。
【文献】Abe,C et al.:Simple and rapid identification of the Mycobacterium 
tuberculosis complex by immunochromatographic assay using anti-MPB64 
monoclonal antibodies.,J Clin Microbiol, 37:3693-3697,1999

 
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[新規収載検査-6]◇HER2/neuタンパク
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病理組織顕微鏡検査
HER2/neuタンパク(準用先区分D-101)(区分D-1)
保険点数:1120点   半定量検査
製品名:ダコ HercepTest
製造元:DAKO A/S Productionsvej 42 DK-2600 Glostrup Denmark
輸入・発売元:ダコ・ジャパン(株)  TEL 075-211-3655
測定法:金コロイド免疫測定法
35テスト/キット  100テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:3時間  自動化:可
検体:その他(組織:ホルマリン固定パラフィン包埋組織標本)
【特徴】抗原抗体反応を利用した免疫組織化学染色法であり、発色系の酵素として
パ-オキシダ-ゼを使用している。染色により可視化された抗原部位を、光学顕微鏡に
て観察する。HER2/neu(ハーツーニユー)遺伝子の増幅やタンパクの過剰発現は癌の
早期再発や予後不良と相関し、乳癌(卵巣癌・胃癌など)の臨床経過を予測する上で有
用である。特に乳癌においては、全患者の25-30%においてHER2/neuタンパクの
過剰発現がみられ、これらの患者では転移をおこしやすく、進行が早いため生存率
も低い。ヒト化モノクロナール抗体治療薬であるハーセプチン(日本ロシュ社)は
HER2/neuタンパクの受容体の阻害、腫瘍増殖抑制、抗体依存性細胞障害反応の誘
発、抗腫瘍活性などを有する。
 本キットはこの治療対象となる患者を選別するために、組織・細胞中のHER2/neu
タンパクを免疫組織化学的に染色する。陽性の場合は腫瘍細胞の膜に一致して褐色
の反応が認められる。手技は、外科的切除によって採取した乳癌組織をホルマリン固
定後、パラフィン包埋し、薄切した病理組織標本を用いて、HER2/neuタンパクの
発現量を0, +1, +2, +3と半定量的に顕微鏡下で判定する。3枚のコントロールスラ
イドと比較し、+2以上の場合にハーセプチンの治療対象となる。
【保険請求上の注意】特になし
【文献】Ellis, I O et al.: Recommendation for HER2 testing in the UK.
 J Clin Pathol, 53: 890-892, 2000

 
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[新規収載検査-7]◆抗抗酸菌抗体価精密測定←NEW
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感染症血清反応
検査名:抗抗酸菌抗体価精密測定 (準用先区分D012-12)(区分D-1)
保険点数:140点 定性検査
製品名:マイコドット
製造元:Mossman Associates, Blackstone,MA,U.S.A
輸入元:(株)ラムコジャパン  TEL:0722-57-3309
発売元:(株)和光純薬  TEL:03-3270-9131
測定法:金コロイド呈色法  96テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:20分  自動化:不可
検体:血清
【特徴】金コロイド呈色法により、血清中の抗抗酸菌(Lipoarabinomannan, LAM)
抗体を検出する。テストコーム表面に固定された抗原と血清中抗抗酸菌抗体との抗
原抗体複合体を形成させ、これに金コロイド結合プロテインA(呈色液)を作用さ
せて結合、呈色させる。
 抗酸菌に関する検査法は多数あるが、基本となるのは塗抹法と培養法である。しか
し、従来法はそれぞれに長所、短所がある。本キットは肺結核症において塗抹法や
培養法で陰性となった検体からも検出できるのが特徴である。活動性肺抗酸菌症での
有病正診率は77.3%(119/154例)、健常者での無病正診率は94.4%(102/108例)、
診断効率は84.4%(221/262例)であった。従来、診断が困難とされていた活動性の
排菌陰性症例での陽性率は68.8%(33/48例)であった。肺抗酸菌症発症当初塗抹陰性
であった活動性症例でも陽性率は69.6%(64/92例)であった。
 本キットで使用している抗原(LAM)は抗酸菌共通の特異抗原であるため、非定型
抗酸菌症例での陽性率も61.8%(21/34例)と高い。陳旧性肺抗酸菌症での陽性率は
33.9%(20/59例)と低い。本法は、検体として血清を使用するため、飛沫感染がなく
安全性に優れている。また、操作が簡便で短時間(約20分間)に測定が可能である。
本法は臨床症状、X線所見において結核症が疑われ、排菌陰性の活動性抗酸菌症(肺
結核症)の補助診断法として有用である。本法は抗体価を測定する性質上、初診時陰
性の症例でも2-3週間後にペア血清として測定すると陽性となる場合も多い。
【保険請求上の注意】特になし。
【文献】螺良英郎他:抗酸菌抗体検出法の臨床有用性に関する共同研究,結核,
72:611-615,1997.

 
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[声の広場-1]◇第43回検査医会教育セミナーを主催して
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 大阪医科大学病態検査学教室において、平成13年3月25日検査医会教育セミナー
が開催された。参加者は12名で輸血検査の実技、骨髄像・血液像検査実技、免疫
電気泳動像判定の実技などの講習を受けた。また、ランチョンセミナーとして産業
医大中央臨床検査部の大田俊行先生が、「リウマチ性疾患の検査の進め方と検査値
の見方」、金沢医大臨床病理学の野島孝之先生が「パラフィン包埋組織ブロックを
用いた遺伝子解析」を講演した。
(大阪医科大学病態検査学  清水 章)

 
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[声の広場-2]◇第11回日本臨床検査医春期大会を主催して
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 本会は平成13年4月20日(土)・21日(日)の二日間にわたり私どもの大阪市
立大学医学部学舎で開催され、延べ200余名の先生方のご参加を得ることができま
した。歴史のある検査医会春期を私どもが開催させていただく光栄に浴しましたこ
とを、まず最初に御礼申し上げます。
 第1日目は、「臨床病理医37年の履歴」と題し聖路加国際病院村井哲夫先生が、
臨床病理学の開花からブランチラボへの変遷と臨床検査医の役割を熱を込めて一時
間余りお話しされ、聴衆一同大いなる感銘を受けました。
 第2日目は、分野別の最近注目されている臨床検査のシンポジウム(司会;中原
一彦東京大学教授)で始まり、山住俊晃(近畿大)先生が最近の真菌症の傾向と耐
性菌の出現について、神辺真之(広島大)先生が呼吸生理化学検査と呼ぶ新しい検
査領域の開拓について、内分泌の大家である網野信行(大阪大)先生が糖尿病に関
する最新文献を基に新病態論を提示され、吉田 浩(福島医大)先生は保険収載免
疫関連検査の臨床的有用性についてお話されました。
 次いで恒例になっているエキスパートのお話を聴く時間には、臨床検査学教授と
してかなりの年数を経られ、かつ関西で中心的に活躍されている3先生にご講演を
お願いいたしました。高橋伯夫(関西医大)先生は食塩の体内動態と高血圧、そし
てサイトカインと高血圧の関係を多数の業績に基づき分かりやすく説明され、清水
 章(大阪医大)先生は質量分析による多種の蛋白構造解析に関する素晴らしいご
業績を披露され、熊谷俊一(神戸大)先生は免疫系でもT細胞のトレランスと自己
免疫発症のメカニズムに関するお仕事を説明いただきました。さすがにその道の第
一人者ばかりで、そのご造詣の深さには脱帽するほかありません。
 第三部は「検体検査管理加算と検査医の役割」と題するパネルディスカッション
(座長;一山智京大教授、三家登喜夫和歌山大教授)は、現実に私どもが直面する
問題であり、大学病院、一般総合病院、病理医、民間検査センターからそれぞれの
立場の考え方が示されました。
 延べ2日の会議でありましたが有意義な議論を友好裡に進めることができました
のは、皆様方のお陰であり、この紙面をお借りして深謝いたします。
(第11会春期大会長・大阪市立大学医学部臨床検査医学 巽  典之)

 
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[声の広場-3]◇「DRG/PPSの医療へのインパクト:
        保険医療システムの変革を考えるセミナー」に参加して
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 Evidence Based Diagnosis(EBD)研究班(研究代表者:川崎医大 石田博先生)
の調査活動の一環として、2001年2月24日(土)に東京の三宅坂ホールで開催さ
れた上記表題のセミナーに参加しました。ブームに乗って同じようなセミナーがた
くさんやられているので、もう大方の関心は薄れているのでは、という予想に反し、
500人は入ろうかという会場がほぼ満席の状態で、検査医会の主だった面々も多数
来場され、自分の認識不足を痛感しました。
 大盛況だった理由として、参加する側の関心の高まりに加え、その内容が大変タ
イムリーであったことも挙げられると思います。国際臨床病理センターの河合忠先
生が総合司会と導入の講演を担当され、アメリカ臨床検査所協会会長、厚生労働省
のDRG試行担当課長補佐、DRG/PPS対応臨床検査ガイドラインをまとめられた渡
邊清明先生がそれぞれ具体的なお話をされました。皆立場は異なっても、自ら取り
組んでこられた経験に裏づけられた内容には、それだけの迫力が感じられました。
特に渡邊先生の「ガイドラインにEBMを導入したいが、当面は難しく実際には
consensus-basedでいくしかないのでは」とのご意見には、EBD研究の難しさを再
確認しました。また、同時通訳や日英対訳付きの資料を完備したり、総合討論に向
けフロアからの質問を予備調査するなど、主催者のきめ細かな配慮が随所に見られ、
大変得るところの多いセミナーでした。
 質疑応答や討論では、臨床検査界の危機感をベースに、守る側と攻める側の対峙
が鮮明な分かりやすい議論が交わされました。ただし、「患者のために最低限必要
な」とか「患者に良質な医療を提供するため」などの枕詞が随所で語られていたの
とは裏腹に、患者のニーズをどう把握して制度に反映させるか、といった議論はほ
とんどなく、大きな問題意識を抱きつつ会場を後にしました。
(東京医科歯科大学医学部附属病院検査部 西堀眞弘)

 
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[声の広場-4]◇「バングラディッシュでの感染症専門医研修を終えて」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 厚生省の外郭団体である国際厚生事業団の主催する「新興再興感染症専門家派遣
研修」に平成13年2月から1カ月間バングラデッシュの首都ダッカ市にあるバング
ラデッシュ国際下痢性疾患研究センター(ICDDR, B)にて新興・再興感染症、特にコ
レラ、赤痢等の下痢症を中心に研修してきました。12名の医師が参加し、検査医は
私1人でした。バングラデッシュは世界で最も貧しい国とされ(平均月収4,000円
程度)、滞在したダッカ市は大気汚染がひどく、空気中の鉛の濃度は世界一です。
市内は2サイクルエンジンで走る3輪のベビータクシーが猛煙をはきながら走り回
り、大気汚染の原因をつくっています。一方ではリキシャといって自転車の後ろに
人力車をつけたような乗り物があり、市内の移動にはこれが非常に便利でした。セ
ンターは下痢症専門の病院で外来患者が一日200-700人程度で、約7割が乳幼児で
す。急性下痢の患者あるいは持続性下痢による栄養不良の子供が来院します。医療
保険制度はなく、ここを訪れる患者は約30円の初診料を払い、あとはすべて無料で
す。驚くことに平均滞在時間は12時間と、多くの外来患者は入院せずに、外来で治
療後返されます。研究、職員の給料、医療費用などすべてが、国と海外からの援助
(年間約50億円)で運営されています。コレラや赤痢、腸チフスの患者を生まれて
初めて診察し、カラ・アザールの患者、癩病の患者など、とても日本では見られな
いような患者も見ることができ、実に感激的でした。下痢で来院すれば、まず脱水
の程度を理学的所見で判断し、便の性状を確認します。水様性下痢ならコレラ、乳
児ならロタ下痢症も考慮しますが、便のpHがアルカリで、暗視野顕微鏡でビブリ
オの運動性を確認すれば、コレラと診断、白血球数、ヘマトクリット、電解質(Na K 
Cl)とBUNを測定し、コレラ用補液で急速に脱水を補正します。患者の状態が良く
なれば、あとは経口補液に変え、歩けるようになれば退院です。貧しい国だけに、
検査は最低限です。しかし、見学した検査室は、全自動の生化学の測定装置、電解
質や血液ガスの測定装置、5分類可能な血球測定装置もあり、内部および外部精度管
理もきっちりと行われているのには驚きました。満たされない医療環境で最低限の
コストで最大限の効果を得られるよう努力しているバングラデッシュの医療を目の
当たりにし、満たされた医療環境での医療、とくに検査のあり方について考えさせ
られた今回の研修でした。
(京都府立医科大学臨床検査医学  藤田直久)

 
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[声の広場-5]◇“医療事故頻発”に想う
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆医療事故は増えているのか?
 最近、医療事故の報道のない日はないほどである。この原因はマスコミの論調だ
と、現場の組織の「たが」の緩み、あるいは医療従事者側の質の低下が原因である、
という。しかし筆者の考えは、医療事故はどの程度かは知らないが、確かに“増え
てはいる”、しかし、その原因は単純なものではなく、おそらく“複合した理由”、
構造的な原因によるのではないか?ということである。
◆低医療費政策
 近年、医学医療環境は著しく変貌した。国立大学病院の場合には、徹底した人減
らし政策が進行中である。医育の現場では、カリキュラムの改革(主として米国か
らの直輸入)が行われ、つい数年前の数倍の忙しさに見舞われている。一方医療の
現場では、収入が競われ、片やEvidence Based Medicine(EBM)が叫ばれている。
◆真の原因
 医療行為はますます複雑になり、医学の爆発的進歩で、研修医、学生に要求され
る知識も、幾何級数的に増加してきている。このような医療医学界で、マンパワー
を充実させないことには、医療事故が増えるのは、ごく自然の成り行きである。し
かし現場ではマンパワーは実質減らされているのである。そのような掘り下げた報
道や解説がマスコミで全くというほどないのは、著しく“エビデンス”を欠いてい
る、これが筆者の言いたいことである。一番の被害は国民である、筆者はそのよう
に思うのである。
 今度ハンセン氏病で患者側が敗訴した。そんな酷いことが、ごく最近までこの日
本であったのか!と驚きを禁じえなかったが、今の時代の医療を将来振り返ってみ
て、あんな野蛮な医療だったよな、という日が一日も早く訪れることを願っている。
(鹿児島大学医学部臨床検査学  丸山征郎)

 

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[声の広場-6]◇「評価と報酬」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 20年ほど前にアメリカ合衆国において外科病理の専門家をつくる場に居合わせた。
そのときのショックは大きかった。日本で頭に描いていた「専門」とはそのレベル
がかなり異なっていた。わが国には専門家はひとりもいないとまで思った。彼らと
の差は明瞭で、専門家をつくる機構が整っていることであった。大まかにレジデン
トは2年間病理(外科病理と解剖)を、さらに2年間臨床病理(臨床化学、血液、
細菌、輸血、など)を修練しそれから各自の目指す専門分野に進むものであった。
これにならって専門家をつくる修練機構をわが国においてもつくろうとの試みがあ
るがほとんど成功していない。どうしてであろうか。医療費に投ずる資金量あるい
は医者の数の問題ではないと思うようになった。あちらにあってこちらにないもの
は何か。
 わが国には患者の立場からみた望ましい専門家を定義し、それを強い意志をもっ
て押し進める戦略がないことである。これは医療の分野に限らない。
次にわが国にないものは「人を評価してそれに見合った報酬(地位)を与える制度」
であろうか。プロサッカー、プロ野球ならば実際に試合に使ってみて、その働きに
応じて給料が支払われる。選手らの年俸を巡る折衝は年中行事になった。今の医療
現場はどうであろうか。あの人は「X-線写真」 がよく読めると評価されても給料は
少しも変わらない。給料は卒業年次で一律に支給される。仕事を評価して昇給し減
給し免職させることはできない。雇用する側は一番大切な、しかし大変に難しい「評
価」を省いて楽をしてきた。
 しかし、社会環境がしだいに変化し、これらのことをいつまでも避けておれなく
なった。病院の経営者が病院の存続と発展をかけて、自ら人を選び、評価し、報酬
(地位)を決めるときが近づいてきたようだ。中央診療部門も評価される。海の向
こうでは病理の貢献度が 4% では少ないと言って病院と交渉していると聞く。
(名古屋大学大学院医学研究科  中島伸夫)

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★JACLaP WIRE No.39 2001年07月09日
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