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本メールは日本臨床検査医会の発行する電子メール新聞です。
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=========================≪ 目 次 ≫=========================
[お知らせ-1]◆第21回世界病理・臨床検査医学会議(WASPaLM)参加の御案内
[お知らせ-2]◆第18回臨床検査専門医認定試験実施について
[お知らせ-3]◆厚生労働省への要望
[お知らせ-4]◆第42回日本臨床検査医会教育セミナー
[お知らせ-5]◆第26回日本医学会総会(2003年)「検査と診断」のテーマ募集
[お知らせ-6]◆日本臨床検査医学会新事務所の開所式
[お知らせ-7]◆日本臨床検査医学会の認定医の名称変更について
[お知らせ-8]◆会員動向(2001年3月末 現在数 592名 臨床検査専門医 400名)
[ニ ュ ー ス] ◆ゲイツ財団が結核症の新しい診断法の開発に100億ドルの賞金
<WHOトピックス Press April 2001 WHO-146>
[Q & A] ◆抗生物質カナマイシンについて
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[お知らせ-1]◆第21回世界病理・臨床検査医学会議(WASPaLM)参加の御案内
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日本臨床検査医学会の会員の皆様におかれましては、ますます御清祥のこととお
慶び申し上げます。この度、第21回世界病理学・臨床検査医学会議 (WASPaLM)
がドイツで開催されるにあたり、多くの会員の皆様が参加されますように御案内致
します。1999年のブラジルでの第20回会議におきましても多くの日本の会員が参
加し、発表致しました。今年は当学会の会計担当理事である森三樹雄教授が
WASPaLM会長に就任する年であります。日本としても大いに森三樹雄先生を応援す
る必要があろうかと思いますので、前回以上にたくさんの方の参加を期待しており
ます。また同時に日本から素晴らしい発表をして頂くことを御願い申し上げます。
(日本臨床検査医学会 会長 櫻林郁之介)
詳細はhttp://www.jscp.org/news/waspalm_21.htmをご覧下さい。
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[お知らせ-2]◆第18回臨床検査専門医認定試験実施について
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平成13年7月27日(金) (筆記試験)、7月28日(土) (実技試験)に伊勢原市の東海
大学医学部3号館で実施する。
詳細は「臨床病理」Vol.49 No.2の102〜103ページをご覧下さい。
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[お知らせ-3]◆厚生労働省への要望
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日本臨床検査医学会の会長、副会長が厚生労働省 健康局長篠崎英夫氏に面会し、
国立小児病院と国立大蔵病院が合併し、国立成育医療センターが誕生する際に、臨
床検査部がブランチラボ化することが内定していることについて遺憾の意を表明し、
今後、国立病院の臨床検査部がブランチ化やFMS化することがないよう、要望書を
提出した。
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[お知らせ-4]◆第42回日本臨床検査医会教育セミナー
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日本大学臨床病理学教室のお世話で、教育セミナーが開催された。参加者は22名
で輸血検査の実技、骨髄像・血液像検査実技、免疫電気泳動像判定の実技などの講
習を受けた。また、ランチョンセミナーとして東京女子医大の小田桐恵美先生が、
「副腎疾患と臨床検査」、大分医大の犀川哲典先生が「最近の循環器疾患の臨床検
査」を講演した。
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[お知らせ-5]◆第26回日本医学会総会(2003年)「検査と診断」のテーマ募集
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(1) シンポジウム(4〜5名演者)(2) 教育講演(1名演者)など 画像診断を
も含んだ形で診断に関するトピックスやその他を提案して下さい。3月末日までに
日本臨床検査医学会事務局までお送り下さい。よろしくお願いします。
(九州大教授 濱崎 直孝)
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[お知らせ-6]◆日本臨床検査医学会の新事務所について
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日本臨床検査医学会は2001年1月22日に下記の事務所に移転した。
〒101-0064
東京都千代田区猿楽町1-7-1
高橋ビル5F
日本臨床検査医学会
TEL :03-3295-0351
FAX :03-3295-0352
E-mail :office@jslm.org
Web Site:http://www.jslm.org/
JAPANESE SOCIETY OF LABORATORY MEDICINE (JSLM)
5F Takahashi building
1-7-1 Sarugakucho Chiyoda-ku,
Tokyo 101-0064, Japan
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[お知らせ-7]◆日本臨床検査医学会の認定医の名称変更について
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学会認定医制協議会の申し合わせにより、各学会が「〇〇専門医」という名称を
使用することに統一された。それにより、学会の「認定臨床検査医」は「臨床検査
専門医」に変更された。今後は「臨床検査専門医」の名称を使用することになった。
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[お知らせ-8]◆会員動向(2001年3月末 現在数 592名 臨床検査専門医 400名)
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《入会》(入会手続き順)
東田 修二 (東京医科歯科大学臨床検査医学)
《退会》
浦山 功
屋形 稔
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[ニュース]◆ゲイツ財団が結核症の新しい診断法の開発に100億ドルの賞金
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<Press April 2001 WHO-146>
世界結核デーの3月24日の前夜、ビルとメリンダ・ゲイツ財団は結核症の新しい
診断法の開発に100億ドルの賞金を出すと発表した。結核症は途上国では毎年200
万人が死亡し、HIV感染患者の約半数が罹患している。結核症は全世界の疾病死亡
の5%を占め、15〜59歳代では9.6%を占める。母親における死亡率も高い。全世
界の結核症のうち80%は22か国で発見され、その半数以上は東南アジア5か国で
見られる。結核症の高感染率10か国のうち9か国はアフリカにあり、そこではHIV
感染が蔓延している。未治療の結核症患者の約50%は死亡する。結核症の診断は
100年前のRobert Kochの時代から殆んど進歩していない。現在の診断法は遅く煩
雑で費用もかかる。もっと低価格で高感度の診断が望まれている。この賞金は5年
間に亘る研究助成金であり、結核症の迅速で簡便な診断法が開発されることにより、
耐性菌の検出もでき、適切な治療が迅速に出来ることを期待している。
(獨協医科大学越谷病院臨床検査部 森 三樹雄)
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[Q & A]◆抗生物質カナマイシンについて
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(Q) 抗生物質カナマイシンについて
偽血小板減少検体への対応として、硫酸Mg、過剰量EDTA、FC管などありま
すが、他の病院では抗生物質カナマイシンを添加しているとききました。どういう
機序でカナマイシンが有効なのか、また、カナマイシンに至った経緯を教えて下さ
い。硫酸Mg、過剰量EDTA 、FC管についてもお願いします。ちなみに私の施
設では「テオフィリン」を用いていますが、今まで偽血小板減少について「テオフ
ィリン」にふれた文献をみたことがありません。ご存知でしたら教えて下さい。そ
して、今のところ「偽血小板減少の詳細な機序は解明されておらず」となっている
ようですが、どの程度まで解明されているのでしょうか。どうぞよろしくお願いし
ます。
(Q-1)偽血小板減少者用抗凝固剤としてカナマイシン加EDTA塩に至った経緯、
どういう機序でカナマイシンが偽血小板減少者に対しで有効なのか?
(Q-2)硫酸Mg、過剰量EDTA についてもお願いします。
(Q-3)偽血小板減少について「テオフィリン」にふれた文献
(Q-4)偽血小板減少の詳細な機序は、どの程度まで解明されているのでしょうか
(宮城県 臨床検査技師)
(A-1)偽血小板減少が初めて観察された日が明らかで、発現前後の各種臨床処
置も明らかな例を調べたところ、多くの症例で発現の1週間前ごろより手術による
感染予防のための各種抗生物質投与が行われていた。このため、投与された抗生物
質がハプテンとして抗原性を獲得し、産生された抗体が偽血小板減少を引き起こす
と仮定し、投与されたものと同種の抗生物質とEDTA塩の混和物を偽血小板減少者用
抗凝固剤として使用し、中和反応により血小板集塊を形成しなくなるかどうか検討
した。その結果、投与されたものと同種の抗生物質を添加した抗凝固剤では血小板
集塊形成阻止効果は認められなかった。しかし、カナマイシン投与歴がない多くの
症例で、カナマイシンを添加した抗凝固剤では明らかな集塊形成阻止効果を認めた。
カナマイシンはアミノグリコシド系抗生物質の1種であるが、他の多くのアミノグ
リコシド系抗生物質も偽血小板減少による血小板集塊形成を阻止し、さらに一旦形
成された血小板集塊をただちに離散させる効果を示した。この血小板集塊形成阻止
および集塊離散効果の機序についてはいまだに不明のままである。一旦形成されて
いた血小板集塊を、添加によりただちに離散させることから、偽血小板減少を引き
起こす因子にカナマイシンが競合的に結合している可能性が示唆される。アミノグ
リコシド系抗生物質と偽血小板減少の関連が明らかになれば、偽血小板減少におけ
る血小板集塊の形成機序の解明に大きな手がかりを与えるものと考えられる。
(A-2)硫酸Mg添加では、Ca2+濃度が関連しているものと考えられている。
過剰量EDTA添加では、血小板表面陰性荷電の増加により血小板集塊形成を阻止して
いるものと考えられている。(FC管は詳細を知りません)
(A-3)テオフィリン加ヘパリンを抗凝固剤として用いた文献を下記に示す。
O Ohnuma, Y Shirata, K Miyazawa:Use of thephylline in the investigation of
pseudothrombocytopenia induced by edetic acid(EDTA-2K). J Clin Pathol
44:915-917, 1988.
嶋崎明美、加藤忠彦、尾崎由基男:臨床血液:35(6):529-534,1994
(A-4)偽血小板減少の詳細な機序について未解決部分としては、1)それまで偽
血小板減少を示さなかったヒトがどんなきっかけで偽血小板減少を示すようになる
のか(偽血小板減少者の発生)、2)偽血小板減少における血小板集塊形成がどのよ
うな機序で起こるのか(偽血小板減少における血小板集塊形成)、3)それまで偽血
小板減少を示していたヒトがどんなきっかけで偽血小板減少が消失するのか(偽血
小板減少者の消失)が挙げられる。2)については、さらに、(1) 集塊形成しやすい
血小板があるのか。(2) どのような外的条件で起こるのか。(3) 血小板のどの部位が
重要なのか。(4) 可逆的反応なのか。(5) 血小板間に働く力は。(6) 血小板間に存
在する物質は。(7) 阻害する要素は。(8) 患者血清成分は集塊形成に関与するのか。
(9) 発生頻度について。などがさまざまに議論されている。
ある程度解明されていると思われる点は、1)担癌患者、抗生物質投与者に多いと
され、健常人にも認められる。2)(1) 古い血小板ほど集塊形成しやすい。(2) 体温
程度で最も強い集塊形成を示す。(3) GPIIb/IIIa結合部位が重要と考えられている。
(4) 短期的には可逆的であるが、次第に不可逆的な反応を示す。(5) 激しい撹拌に
より集塊形成が弱まる。(6) 免疫グロブリンと考えられている。(7) 過量のEDTA塩、
杭血小板薬、抗生物質、抗GPIIb/IIIa抗体などが挙げられている。(8) 健常者血小
板と偽血小板減少者血漿をEDTA存在下で反応させると血小板集塊形成が高頻度で
起こる。(9) 0.03-1.9%。
現在では、血小板膜上のCa2+イオンがEDTA塩による強力なキレート作用により
修飾を受け、膜表面性状が変化するため血中の凝集素と反応する説がつよく疑われ
ている。
問題点としては、1)発現前後の臨床処置を調べた文献が少なく、もっぱら既往歴
を中心に調べられている。2)偽血小板減少そのものの本態が明らかでないため、得
られた血小板集塊が偽血小板減少のものと同一であるかの検証が困難である。
文献:Susumu Sakurai, Ichiro Shiojima, Takeshi Tanigawa, Kazuhiko Nakahara:
Aminoglycosides prevent and dissociate the aggregation of platelets in patients
with EDTA-dependent pseudothrombocytopenia. Br J Haemat 99:817-823,1997.
(東京大学医学部附属病院検査部 櫻井進、中原一彦)
[ホームページ/臨床検査ネットQ&A(血液検査)](ID20010207)
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★JACLaP WIRE No.37 2001年04月03日
★発行:日本臨床検査医会[情報・出版委員会]
★編集:JACLaP WIRE編集室 編集主幹:森三樹雄
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