JACLaP WIRE No.24 2000.05.29 



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          JACLaP WIRE No.24 2000年5月29日
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============================≪ 目 次 ≫============================

[お知らせ]◆ホームページへのアクセス件数について
[お知らせ]◆会員動向
[お知らせ]◆第18回検査医会振興会セミナー開催のお知らせ
[お知らせ]◆第20回日本臨床化学会夏期セミナーのご案内
[お知らせ]◆臨床検査医認定試験のお知らせ
[お知らせ]◆第9回精度管理に関する国際シンポジウム(ISQC)のお知らせ

[ニュース]◆外部精度調査の意義と問題点(臨床化学検査)
[ニュース]◆医療関連サービスマーク制度の現状
[ニュース]◆病理検査と結核予防
[ニュース]◆日本臨床病理学会が医師国家試験に参加
[ニュース]◆第8回GLMに関するワークショップが無事終了
[ニュース]◆臨床検査医学における系統的再評価プロジェクト委員会発足

[特別寄稿]◆故井川幸雄先生への追悼文

[Q&A] ◆全自動血球計の廃液の処理
[Q&A] ◆免疫電気泳動法の原理
[Q&A] ◆供血者に対するHBc検査
[Q&A] ◆補体のcold activationの検査
[Q&A] ◆梅毒血清診断について
[Q&A] ◆免疫学的検査装置の開発・製造の認可
[Q&A] ◆免疫血清検査の自動化
[Q&A] ◆梅毒の自然治癒と母児感染

[人事消息]◆菅野剛史会員、浜松医科大学附属病院長に就任

[編集後記]◆精度管理と検査医の役割
 
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[お知らせ]◆ホームページへのアクセス件数について
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 お陰様を持ちまして、今年3〜4月の日本臨床検査医会のホームページへ
のアクセス件数が、月平均3,500を超えました。1日平均100件以上
のアクセスがあるということになります。今後とも会員の皆様のご支援をよ
ろしくお願いいたします。
 なお、開設以来の推移は、ホームページのタイトル左下のアイコンをク
リックするとご覧いただけます。

[2000年5月18日 情報・出版委員会 西堀 眞弘]
 
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[お知らせ]◆会員動向
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《入会》斉藤直敏(奈良県立三室病院中央臨床検査部)
    緒方謙太郎(川崎市立井田病院臨床検査部)
    千葉仁志(北海道大学医学部附属病院検査部)
    保坂典子(長野市民病院臨床検査科病理)
    松熊 晋(自衛隊中央病院病理課)
    齋藤紀先(秋田大学医学部臨床検査医学)
    犀川哲典(大分医科大学医学部臨床検査医学)
    小林佳美(秋田大学医学部附属病院中央検査部)

《退会》山本光祥、松田重三、大田尚弘、桜井 勇、高橋正宜、茂手木皓喜

[2000年5月15日 庶務・会計幹事 高木 康]
 
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[お知らせ]◆第18回検査医会振興会セミナー開催のお知らせ
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1.日 時:平成12年7月7日(金)14:30〜
2.場 所:東京ガーデンパレス
3.内 容:テーマ「検査室の運営方式の課題と将来展望」
                   座長 河野 均也、森 三樹雄
講演「ブランチラボ、FMS、機器リース・システム販売の定義」
                臨床検査薬協会専務理事 田口 隆久
講演「ブランチラボについて」
                聖路加国際病院検査部長 村井 哲夫
講演「FMSについて」
                青梅市立病院院長    星  和夫
講演「機器リース・システム販売について」
                慶応義塾大学病院検査部 石橋みどり
                            内田  博

[2000年5月15日 渉外委員長 村井 哲夫]
 
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[お知らせ]◆第20回日本臨床化学会夏期セミナーのご案内
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テ ー マ:蛋白の臨床化学
主   催:日本臨床化学会(担当:日本臨床化学会関東支部)
実行委員長:伊藤喜久(旭川医科大学臨床検査医学)
会   期:平成12年7月7日(金)〜7月9日(日)
会   場:あさやホテル(栃木県鬼怒川温泉)
       〒321-2598 栃木県塩谷郡藤原町滝813
       TEL : 0288-77-1111

[2000年5月15日 実行委員長 伊藤 喜久]
 
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[お知らせ]◆臨床検査医認定試験のお知らせ
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 日本臨床病理学会制定の認定臨床検査医制度により、平成12年度第17回認
定試験を下記の要領で実施致します。

期 日:筆記試験 平成12年7月28日(金)午後2時より
    実技試験 平成12年7月29日(土)午前8時30分より
会 場:大阪医科大学講義実習棟(〒569-8686 高槻市大学町2-7)
     阪急京都線高槻市駅下車山側へ徒歩5分
     JR高槻駅下車南東へ徒歩10分
受験される方は、受験票、筆記具、実技試験の白衣をご持参ください。
願書提出期間:平成12年5月8日(月)より5月12日(金)までに簡易書留郵
       便で送付のこと(当日消印有効)
願書郵送先:〒113-0033 東京都文京区本郷2-11-10
       ウエルストンハイツ203号室
       日本臨床病理学会事務所 認定医試験係
       Tel 03-3813-8150

[2000年5月15日 大阪医科大学病態検査学 清水 章]
 
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[お知らせ]◆第9回精度管理に関する国際シンポジウム(ISQC)のお知らせ
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 第9回ISQCが2001年11月3日(土)から4日(日)まで大阪府豊中市千里ライフ
サイエンスセンター5F ライフホールで開催されます。会長は浜松医大の菅
野 剛史教授、副会長は熊本大学の岡部 紘明教授、学術組織委員長は大阪市
立大の巽 典之教授、プログラム委員長は国立・健康栄養研究所の戸谷 誠之
部長です。現在、プログラムを立案中です。興味のある方は、是非ご出席下
さい。詳細については事務局に連絡するか、下記のホームページアドレス
(URL)をご覧下さい。

事務局 〒651-0083 神戸市中央区浜辺通2-1-3 国際試薬(株)内
    Tel 078-231-4151
    http://www.isqc.org/

[2000年5月26日 獨協医大 森 三樹雄]
 
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[ニュース]◆外部精度調査の意義と問題点(臨床化学検査)
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 臨床検査の外部精度調査(EQA)の主目的は測定値の施設間差をより少なく
することにあり、その実態調査をも兼ねている。日本医師会主催のEQAは平
成11年度で33回を迎え、この間、多くの項目とくに筆者担当の臨床化学成分
分析に関しては精度の著しい向上が図られた。同一試料による各施設での測
定値を平均値からのずれ、すなわち変動係数(CV値)でみると、過去20年間
でクレアチニンは10%が4%に、尿酸は6%が3%に、中性脂肪は15%が4%に
などと著しい改善をみている。これらは優れた分析機器、試薬、標準品の登
場によるところが大きいが、本調査の評価が測定法別に集計・実施されてい
る点をもあげなければならない。さらに同一測定法にあっても、今回の総ビ
リルビン酵素法のように、標準品の値付け基準が定まっていないことを主因
とするメーカー間差(0.2〜0.3mg/dL)が生じたため、4メーカーを独立して集
計したとするおまけ付きまであった。マトリックス効果のみられることの多
いドライケミストリー法は独立しての集計が常識とさえなった。
 一方、精度が良くなることにより思わぬ問題点が生じてきた。評価方法と
して誤記入した施設を除外するための3SD値以上の切断、共通CV値の導入な
どの緩和措置を図っているものの、評価に用いたSD値が測定記入桁数より小
さくなるための平均値からのわずかなずれでのC、D評価である。臨床化学検
査項目では総ビリルビン、無機リン、尿酸、AST、ALTにみられている。たと
えば、無機リン試料1 (n=1,303)のM±1SDは2.67±0.07mg/dLであるが、本
項目の測定記入桁数が小数点1位までであることから2.6と2.7がA評価であ
り、2.5がB評価、2.4と2.8がC評価と集計の上で出ることになる。「A評価値
から0.1のずれの2.5がB評価なのにウチの2.8が同じ0.1のずれでなぜC評価な
の?」という疑問はある意味で当然ともいえる。施設内での日差変動の許容
幅は生理的変動幅の半分(筑波臨床化学セミナー)とされ、これによれば無
機リンは0.2であり、今回の評価SD値0.07は大幅に小さかったのである。
 C評価以下を取る施設は始末書を提出させられるなどで評価・評点法はや
めて欲しいとする声も少なくない。しかし、我が国で行われる多くのEQAの
うち唯一この方式を採っている日医精度調査はそれなりの意味がある。米国
CLIA'88などでは、査察官らの予告なしでの施設への検体持込みでの調査
で、5検体のうち4検体が許容値からアウトだと一定期間その項目の検査は法
的根拠の下に中止、といった厳格な事例があることも忘れてはならない(そ
の基本理念に人命尊重にあるとされる)。「きちっとした内部精度管理を
行ってさえいれば5%の落ちこぼれに入ることはまずありえない」とする優
良施設の声も多く、これにもっと素直に耳を傾けるべきであろう。もちろ
ん、出題者側に起因する問題点たとえば不適切な調査試料や記入法、評価・
評点法など、改善すべき点が残されている事態もないとはいえない。

[2000年5月15日 神奈川県立衛生短期大学 伊藤 機一]
 
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[ニュース]◆医療関連サービスマーク制度の現状
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 医療関連サービスマークは、財団法人医療関連サービス振興会が、衛生検
査所をはじめとする9業種に対するマル適マークとして認定交付しているも
のである。それに先立ち、日本衛生検査所協会(以下、日衛協)では河合忠
先生、河野均也先生らの指導により協会独自の精度管理基準推進機構を立ち
上げ、平成2年より独自のマル適マークを発行していた。これを発展的に
サービス振興会に移管した後は、全国を9ブロックに分け、各地区に地区委
員会(他の業種には見られない)を置き、当該地区の衛生検査所に対し調査
指導員を派遣し、チェックリストを基準に実地調査指導を行っている。
 具体的には、衛生検査所の認定は、日衛協が事務手続きの一部を担い、各
地区の調査指導委員長と若干名の調査指導員を出すほか、日本臨床病理学
会、日本臨床衛生検査技師会、日本細胞病理学会からもそれぞれ多数の調査
指導員を選出している。衛生検査所から認定申請があれば、2名(細胞診検
査を実施している施設については日本細胞病理学会選出の1名を追加した計3
名)の調査指導員がその検査所に赴き、3〜6時間をかけ、実地調査指導を行
うこととなっている。
 平成7年の初回認定時には、全国293施設が合格し、平成9年には360施設と
認定数はピークを迎えたが、現在(平成12年2月)認定施設は291と徐々に減
少の傾向を見せている。これは平成5年に厚生省課長通知で「病医院の業務
委託先として、医療関連サービスマークを受託者選定の参考にされたい(原
文要約)」と通達していたのが、平成9年に一連の規制緩和の流れから、再
度課長通知で取り消されたことが、一つの大きな原因となっている。このこ
とは、マーク認定にかかる多大な努力(認定料の支払いを含め)にもかかわ
らず、衛生検査所にとってマーク取得は経営上何のメリットも持たない、と
いうことにもなりかねない。
 このマル適マークの調査指導が、これまでに衛生検査所の精度管理と医療
関連ビジネスとしての意識の向上に果たした役割は計り知れない。それは各
調査指導員のボランティア的努力によるものである。しかし、地区別の調査
レベルには未だ格差があり、調査指導員に対する派遣団体の教育システムに
も不備があるなど、調査側にも多くの問題が残されている。このままでは、
マーク認定自体が形骸化するばかりではなく、せっかくレベルアップし標準
化されてきた衛生検査所の精度管理を今後も維持・向上させることが困難と
なるものと予想される。現在、各地区委員長は日衛協から選出されている
が、今後はこれを検査医会の若手でもっと真剣に衛生検査所のレベルアップ
に取り組むような人材に順次置換していくことも考慮すべきであろう。少な
くとも指導監督医の教育指導や、衛生検査所の調査指導について研究討論す
る場をそろそろ持たなければと考えている。

[2000年5月15日 日本医学臨床検査研究所 佐守 友博]
 
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[ニュース]◆病理検査と結核予防
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 院内感染対策は、形式的なコスト主義や感情論に影響されやすく、特に剖
検は診療報酬の対象とならないため、実効的な対策や予算措置がしにくい状
況にあるが、感染症新法施行後も結核予防法は独立しており、結核対策の意
義は社会的にも依然として大きい。ここでは病理検査における結核予防の重
要性について整理し、具体的対策を簡単に紹介したい。
 1988年11月厚生省は健康政策局長通知『病理解剖指針』の中で『病理解剖
医は、病理解剖を行う際には自分自身並びに解剖補助者等への伝染性疾患の
感染及び環境汚染が起きないように十分留意しなくてはならない』との義務
規定を示した。
 そして遅れること10年余、昨年10月に『結核院内(施設内)感染予防の手
引き』の中で具体策を提示しており、病理検査一般にも準用すべきと思われ
るので以下に抜粋する。
 『病理解剖室は医療機関の中でも結核感染のリスクが高い区域の一つであ
る。−中略−したがって以下のような体制を整備しておくことが重要であ
る。
●N95型マスクを着用する(筆者注 入室者は全員着用)
●空調の気流は解剖台の上から下へ流れるように設計する(筆者注 改修不
能の場合は作業中に室内気を撹拌しないために既存空調を使用しないといっ
た応急的対策が求められる)
●肺など摘出臓器は切開する前にホルマリンで十分に固定・滅菌する(筆者
注 これを不十分として気管両肺を一塊として摘出し直ちに固定液を充填す
る方法も推奨される)
●電動鋸には覆いをかけて広範な飛沫の飛散を防ぐ
●薄切切片作成は感染防止用装置を用いることが望ましい(筆者注 安全
キャビネット内で行われるべきことを指す)
 以下 剖検で新規に診断された結核症例に関する解剖医の結核予防法上の
施設長への指示義務規定が記載 略』
 筆者としてはこれらに加えて、
○ツ反陰性者を疑いのある症例の剖検へ参加させない
○結核(疑)病変からの新鮮凍結切片の作成は行わない
の2点を付け加えるべきと考える。
 以上、病理医は病理解剖や病理検査において主導的に結核感染予防を行う
に十分な権利義務、能力を有する。感染対策委員会への積極的な参加など、
会員諸氏の活躍に期待したい。

[2000年5月15日 聖十字会聖ヶ塔病院内科 堀岡 理]
 
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[ニュース]◆日本臨床病理学会が医師国家試験に参加
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 かねてより要望していた医師国家試験への関与について、この度日本臨床
病理学会の代表が試験委員として参加することが決定した。

[2000年5月26日 獨協医大 森 三樹雄]
 
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[ニュース]◆第8回GLMに関するワークショップが無事終了
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 第8回GLMに関するワークショップが日本臨床検査医会と日本臨床病理学会
の主催で2000年5月20日(土)〜21日(日)に自治医科大学地域医療情報研修セ
ンターで行われた。北海道から九州まで12名の認定臨床検査医をめざす医師
が参加した。研修方法は少人数に分かれGood Laboratory Managementに必要
な教育の基本を身につけるために実際の作業を行った。参加者は臨床病理
学・臨床検査医学の教育カリキュラムの意義を考え、具体的な教育戦略を立
案する方法と科学的評価方法を体験的に学習できた2日間であった。
 

○今回修了証書を受けられた方々
伊藤 章      横浜市立大学医学部臨床検査部
小野順子      福岡大学医学部臨床検査医学
加藤元一      京都第2赤十字病院中央検査部
幸村 近      旭川医科大学臨床検査医学
佐々木なおみ    呉共済病院臨床病理科
島崎英幸      防衛医科大学校付属病院検査部
白石泰三      三重大学医学部病理学第二講座
千葉仁志      北海道大学医学部附属病院検査部
秦 美暢      自衛隊中央病院研究検査部
藤井寿一      東京女子医科大学中央検査部
宮城洋平      神奈川県立がんセンター臨床研究所・腫瘍病理
横山繁生      大分医科大学病理学講座第一

○第7回までのGLM・WS参加施設[( )は参加者の当時の所属施設で
その後移籍等で現在は不在の施設]
 国立、公立大学および短期大学(29校):北海道大学、旭川医大、(秋田
大学)、東北大学、山形大学、福島県立医大、信州大学、群馬大学、防衛医
科大学校、東京大学、東京医科歯科大学、横浜市大、千葉大学、筑波大学、
神奈川県立衛生短期大学、浜松医大、名古屋大学、三重大学、京都大学、京
都府立医科大学、広島大学、広島県立福祉短期大学、岡山大学、山口大学、
鳥取大学、島根医科大学、高知医科大学、(徳島大学)、九州大学、大分医
大、(鹿児島大学)
 私立大学(20校):獨協医科大学、自治医科大学、埼玉医科大学、日本
大学、順天堂大学、慈恵医大、昭和大学、杏林大学、(北里大学)、(日本
医科大学)、東邦大学、東京医科大学、東京女子医大、帝京大学、東海大
学、近畿大学、関西医科大学、大阪医科大学、川崎医大、福岡大
 その他の参加施設(25施設):私立東葛病院、国立健康栄養研究所、
(財) 東京都保険医療公社 東部地域病院、天理よろづ相談所病院、市立四
日市病院、川田クリニック、香川県立中央病院、株式会社シ−・ア−ル・シ
−、日本医学臨床検査研究所、青森労災病院、山口県立中央病院、、佐久総
合病院、国立弘前病院、京都第一赤十字病院、東京都神経科学総合研究所、
甲府共立病院、(関東逓信病院)、愛知県コロニー発達障害研究所、国立南
和歌山病院、広島市立安佐市民病院、祐生会みどりヶ丘病院、愛知県がんセ
ンター、飯田市立病院、日本赤十字社医療センター、大阪府立病院、京都第
二赤十字病院、呉共済病院、自衛隊中央病院、神奈川県立がんセンター

○GLM・WS未参加校(医学部ないしは医科大学)
 国立、公立大学(22校)
 私立大学(9校)

[2000年5月26日 副会長 森 三樹雄・チーフプランナー 熊坂 一成]
 
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[ニュース]◆臨床検査医学における系統的再評価プロジェクト委員会発足
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 Evidence Based Medicineを臨床検査医学に応用するためには、検査診断が
必要とされる多様な状況のモデル化や適切なアウトカムの選択など、他の医学
分野より高度なノウハウが要求されるため、理論および実践の両面において固
有のアプローチが不可欠である。そこで、本邦の関連学術界の総力を結集して
この課題に取り組むため、国際臨床病理センターの呼びかけによって、この度
「国際臨床病理センター/臨床検査医学における系統的再評価プロジェクト委
員会(International Clinical Pathology Center / Committee on Systematic
Reviewing in Laboratory Medicine; ICPC/C-SRLM)」が発足した。

 本委員会は河合 忠委員長と菅野剛史副委員長のもとに、次の4チームから
構成されている。

(1)統轄チーム(河合忠先生、菅野剛史先生、神辺眞之先生、渡邊清明
  先生、福井次矢先生、中原一彦先生、櫻林郁之介先生、河野均也先生)

(2)方法論チーム(チーフ:神辺眞之先生)
 本プロジェクトが採用する系統的再評価(メタアナリシス)のための標準的方
法マニュアルを作成すると共に、診断検査の臨床的評価のための研究論文が具
備すべき必要条件を作成する。当初は日本臨床病理学会臨床検査情報学専門部
会EBLM作業班が担当し、同専門部会が企画し内定通知を受けている科学研究費
補助金 平成12年度基礎研究(C)課題番号12897028(研究代表者:石田 博先
生)によるEBLM研究班が正式に発足した時点で、ICPC/C-SRLM統轄チームメン
バーが同研究班の研究協力者となり、共同作業を開始する。

(3)選考チーム(チーフ:渡邊清明先生)
 最近研究結果が出版され、現状で臨床的ニーズが高く、しかも担当者が英文
論文として発表して業績となりうるようなテーマを3、4件選び、2名以上の
組合わせでSR担当者を指名または公募して決める。

(4)統計チーム(チーフ:福井次矢先生)
 本プロジェクトに最適な統計学的方法について検討し、提案する。

 なお、既に本委員会のプロジェクトとして、高感度CRP測定法の臨床的意義
の確立をめざし、とくに新生児感染症の早期診断ならびに循環器系疾患のリス
ク予知をテーマに、竹村 譲先生および石田 博先生が研究を開始している。
これらの成果を含め、本委員会では関連の学術情報を収集、蓄積し、本邦の
EBLM研究の集大成となるデータベースとしてインターネットで公開するととも
に、IFCCとの連携により国際的にも展開を図る計画である。

[2000年5月29日 東京医科歯科大学 西堀 眞弘]
 
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[特別寄稿]◆故井川幸雄先生への追悼文
              東京慈恵会医科大学臨床検査医学 町田勝彦
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 東京慈恵会医科大学名誉教授、井川幸雄先生が去る1999年12月5日に脳梗
塞のため急逝されました。井川先生は、1948年(昭和23年)9月東京慈恵会
医科大学卒業後インターンを経て国家試験合格後、直ちに東京慈恵会医科大
学第二生理学教室(当時杉本良一主任教授)に人室、講師、助教授と生理学
の教育、研究に従事されておられましたが、1967年に附属病院中央検査部に
移籍され、1970年教授に昇任、1977年臨床検査医学講座の創設に伴い、その
初代主任教授に就任されました。その後、宇宙医学研究室主任、医科学研究
所所長なども兼任され、それらの発展に大きな足跡を残されています。井川
先生の生理学教室時代は主として人体の代謝過程を中間代謝とエネルギー代
謝の両面から追求され、生理学、運動生理学、体力医学、宇宙航空医学に関
する多くの業績を残されました。また臨床検査医学におきましても時代の趨
勢に対応した臨床検査の自動化、正確で迅速な情報処理などを推進されまし
た。さらに教室員や技師などの人材育成にも尽力され、数多くの学術図書を
刊行し、優れた業績を学会や学会誌などに発表されておられます。
 私が井川先生の門下生になりましたのは臨床検査医学講座の創設後半年経
過してからでありました。細菌学教室に在籍中の私が同教室に移籍したの
は、細菌学教室が中央検査部細菌血清科の面倒をみていたことと細菌学教室
の近藤 勇教授が盛岡中学の出身で井川教授の先輩であったことからと聞い
ております。研究に興味をもたれた先生は研究室の拡充に努められ、今日私
どもが自由に研究活動が行うことができる基礎を作られました。また、先生
は生理学、運動生理学、体力医学、宇宙航空医学、臨床検査医学の分野で幅
広く研究されただけでなく、英語、ドイツ語、フランス語、エスペラント語
(晩年にエスペラント学会会長も勤められました)にも堪能で屈託のない人
柄は交際範囲を広くされ、いつも多くの方々に慕われておりました。今日の
複雑な社会にあって先生のようなスケールの大きな柱を失ったことは残念で
あります。ここに謹んで先生のご逝去に心から衰悼の意を表し、ご冥福をお
祈り申し上げます。
 
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[Q&A] ◆全自動血球計の廃液の処理
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(Q)全自動血球計から排出される廃液を直接下水へ流すのは問題ではない
か、と医療監査で指摘されたのですが、どう対処すればよいでしょうか。
(臨床検査技師)

(A)法的な質問なので廃棄物処理法に基づいて説明します。産業廃棄物に
は一般的な産業廃棄物と特別管理産業廃棄物があります。一般的な産業廃棄
物とは事業活動から生じたもので、かつ、廃棄物処理法が定める19種類(燃
え殻、汚泥 、廃油 、廃酸、廃アルカリなど)に該当する廃棄物をいいま
す。また、爆発性・毒性・感染性などの性状を有して、人の健康や生活環境
に被害が生じるおそれがある廃棄物は、特別管理産業廃棄物として特に厳重
に規制されています。今回の質問である全自動血球計から排出される廃液は
血液などの検体が含まれているため、特別管理産業廃棄物の感染性廃棄物に
含まれると思われます。しかし医師の判断で感染の危険性がないと判断され
た場合は感染性廃棄物として処理する必要はなく、産業廃棄物の廃アルカリ
として処理されます。いずれの場合でも産業廃棄物として慎重に取り扱う必
要があります。処理方法については事業者が自らの責任で処理施設を整備し
処理する場合と専門業者に委託して処理する場合があります。いずれも事業
者は最終処分まで適正に処理をすることが必要です。よって貴院の施設長と
十分に相談し解決して下さい。

回答日:2000年5月23日
回答者:日本臨床病理学会認定臨床検査医 森 三樹雄(No.45)
    獨協医科大学越谷病院臨床検査部 鳥山  満

[ホームページ/臨床検査ネットQ&A(血液検査、その他)]
 
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[Q&A] ◆免疫電気泳動法の原理
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(Q)免疫電気泳動法の原理がどうしても分かりませんので、教えていただ
けないでしょうか。(学生)

(A)免疫電気泳動は、電気泳動法にて血清中の蛋白成分の分画を行い、次
に二重免疫拡散法により蛋白成分の同定を行います。電気泳動法の原理は
セ・ア膜を用いた蛋白分画と同様です。免疫電気泳動では支持体に寒天平板
を用います。緩衝液はベロナール緩衝液(pH8.6、μ=0.05)を使用します。
簡単な手技と原理の説明をします。
 寒天平板に血清を塗布し、その平板を泳動槽のプラス電極槽とマイナス電
極槽の間を橋渡しするように置き、一定の強さの電流を流して泳動します。
アルカリ性であるベロナール緩衝液中の血清蛋白はマイナスに荷電している
ため、寒天の中をプラス電極側へと易動します(電気泳動現象:荷電量と電
場の強さに比例)。この時、ベロナール緩衝液の分子は寒天の中をプラス電
極からマイナス電極の方向に流れます。これを電気浸透現象といいます。蛋
白はこの流れに逆らって移動することになります。それぞれの蛋白は、固有
の等電点を持ち、アルブミンなど等電点が低いものはプラス電極側へ強く引
かれます。等電点が高いグロブリンなどは、逆にマイナス電極へ電気浸透で
流されてしまいます。一定時間泳動を行うとプラス側から順にアルブミン、
α1、α2、β、γのそれぞれの分画に分離されます。血清塗布点がちょう
どβ分画になるように、寒天に加えるアガロースを調整すると、きれいに分
離できます。実際には泳動を取り巻く複雑な因子が関与しています。支持体
への蛋白の吸着や分子ふるい効果、緩衝液のイオン強度、ジュール熱などが
挙げられます。
 次に寒天に作った溝に抗血清を流し、15〜16 時間静置します。蛋白(抗
原)と抗血清(抗体)は、拡散して抗原・抗体反応が起こります。ちょうど
最適比の場所に沈降線(不溶性の抗原・抗体複合物が白い沈殿物として確認
される)が形成されます。寒天は網の目構造になっているため、分子量に
よって拡散距離がそれぞれ異なります。分子量の大きいIgMやα2マクログ
ロブリンなどは、拡散速度が遅いため抗血清の溝から遠くに沈降線が形成さ
れます。アルブミン分画ではトランスサイレチン、アルブミン、α1分画で
はα1アンチトリプシン、α2分画ではα2マクログロブリン、セルロプラ
スミン、ハプトグロビン、β分画ではトランスフェリン、ヘモペキシン、β
1C・β1A、γ分画ではIgG、IgA、IgMが主要な沈降線として現れます。沈降
線はその太さなどで、おおよそ量の増減がわかります。重要なポイントは多
発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症の際にみられるM成分(M-bow)の
発見です。

【参考文献】
[1]大谷英樹、河合忠:免疫電気泳動法(第2版)、医学書院、東京、
  1997
[2]〆谷直人、大谷英樹:M蛋白の検出と検査の進めかた、検査と技術、
  19、27-32、1991

回答日:2000年5月29日
回答者:日本臨床病理学会認定臨床検査医 森 三樹雄(No.45)
    獨協医科大学越谷病院臨床検査部 柴崎 光衛

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               (免疫学的検査/血清検査/輸血検査)]
 
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[Q&A] ◆供血者に対するHBc検査
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(Q)当院では稀に院内供血者輸血を実施しますが、供血者のHBVのスクリーニ
ングについて、
・HBs抗原だけでなくHBc抗体も検査に加えるべきか
・その場合、HBc抗体陽性例全てを供血適応外とすべきか
・また、どの検査法を採用すべきか
についてご教示ください。(大阪府 臨床検査技師)

(A)供血者の検査にHBc抗体を加えるべきです。
 HBc抗体は、HBV感染早期から出現しHBVキャリアで高抗体価を示します。低
抗体価の場合は過去の感染を示します。しかし、HBs抗原陰性でHBs抗体陽性で
あっても、HBc抗体陽性の場合は、血中もしくは肝組織中にごく微量のHBVが存
在する危険があります。ということは、低抗体価でもHBc抗体陽性ならば供血
者として「不適」とするのが妥当です。
 日赤血液センターで実施されている検査は、ABO血液型、Rho(D)抗原、不
規則抗体スクリーニング、HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体、HCV抗体、HIV1,2抗
体、HTLV-I抗体、梅毒血清反応、ALT(GPT)です。院内供血者でも同様な検査
が必要ではないでしょうか。供血者の感染症検査では、検査によって高感度な
測定法が要求されます。特にHIV抗体検査ではWindows periodが問題になり、
抗体検査の限界が指摘されています。日赤ではNAT法を導入するなど、安全な
血液の供給に努力しています。また、「血液製剤の使用にあたって」の中に血
液センターからの供給体制が整っている場合、特別な事情がない限り院内供血
者による輸血は行うべきではないとあります。家族や知人が供血者といえども
感染のリスクは同じです。できれば、医師と話し合ってできるだけ日赤の血液
を用いた方がよいと思われます。

【参考文献】
[1]丸山念之:HBVのウイルスマーカー.メディコピア、39、204-207、
  1999
[2](財)血液製剤調査機構 編集:血液製剤の使用にあたって 第2版、
  1999

回答日:2000年5月29日
回答者:日本臨床病理学会認定臨床検査医 森 三樹雄(No.45)
    獨協医科大学越谷病院臨床検査部 柴崎 光衛

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[Q&A] ◆補体のcold activationの検査
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(Q)補体のcold activationを疑うときになぜ血漿中のCH50を測定するのです
か。Caの影響はあるのでしょうか。

(A)cold activation(クリオグロブリンなどが低温での活性の引き金になる
と考えられている)は、肝疾患やHCV抗体陽性者に頻度が多いことが知られて
います。稲井らの報告では低温保存において、C4、C2の活性低下が原因として
います。EDTAはCa2+をキレートするのでC4の活性を抑制します。また、ヘパリ
ンでも同様の作用があります。このように、EDTAやヘパリンを加えて得られた
血漿は、保存による活性化が抑えられ、cold activationを起こしにくくなり
ます。ただし、100%防げるわけではなく、検体によってはcold activationが
多少進行する場合もあります。
 cold activationを疑うときは、同一患者の血清と血漿の補体価を同時に測
定し、血漿>血清となることで確認できます。また、血清分離を37℃で速やか
に行い、低温に保存したものと値を比べる(37℃>低温)ことや、C3やC4の蛋
白量を測定することも1つの方法です。

【参考文献】
[1]稲井真弥:病気と補体.代謝.12(臨時増刊号):331-337、1975
[2]稲井真弥、安田玲子:補体価測定法.CLINICAL LABOLATOLY、233-238、
  1977

回答日:2000年5月29日
回答者:日本臨床病理学会認定臨床検査医 森 三樹雄(No.45)
    獨協医科大学越谷病院臨床検査部 柴崎 光衛

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[Q&A] ◆梅毒血清診断について
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(Q)梅毒血清反応のTP抗原測定系に於いてTPHAが陰性化せず陽性反応を示し
つづける例がありますが、なぜですか。また新感染症法の「報告のための基
準」で、「無症候梅毒ではカルジオリピンを抗原とする検査で16倍以上かつ
T.pallidumを抗原とする検査が陽性のもの」とありますが、16倍以上の根拠と
TP抗体価が不要な理由を教えてください。(臨床検査技師)

(A)早期に駆梅療法をすれば、TPHAでも陰性化するといわれています。顕性
梅毒では、未治療期間が長ければ、治療してもTPHA陽性が長期間続きます。他
の感染症でも獲得免疫として長期間抗体が検出されるものは多く、T.pallidum
(TP)に対する抗体に限ったことではありません。細胞性免疫系で免疫記憶細
胞が長期にわたり存在すると考えられます。また、抗体保有者に2次感染が起
こると、ブースター効果により早期にTP抗体が初感染ピーク時の5〜10倍ほど
に上昇します。「抗体価のtailing」とはあまり耳にしませんが、治療後もTP
抗体が長期間検出されることを表現しています。
 厚生省の感染症報告義務疾患の診断基準に「無症候梅毒ではカルジオリピン
を抗原とする検査で16倍以上陽性かつT.pallidumを抗原とする検査が陽性のも
の」とあります。無症候梅毒では、臨床症状はみられないがSTSが16倍以上で
あれば治療することが望ましいとされています。治療済み梅毒との区別や治癒
判定基準(8倍以下)、BFPの可能性、過去の膨大なデータやCDCのガイドライ
ンなどを参考に16倍という数値が決められたと思われます。また、TPHAはSTS
に比べ特異性は高いですが、抗体価は治療と一致しませんので、陽性であれば
よいとの判断ではないでしょうか。

【参考文献】
[1]水岡慶二:血清診断法.STD 臨床と細菌(臨時増刊)、137-142、
  1984
[2]津上久弥:梅毒の治療:皮膚科MOOK、4、79-89、1986
[3]望月照次、中村良子:梅毒の検査.検査と技術、24、809-818、1996
[4]伊東文行、本田まり子、新村眞人:性感染症診断・治療guide line 梅
  毒.日性感染症会誌、10、14-16、1999

回答日:2000年5月29日
回答者:日本臨床病理学会認定臨床検査医 森 三樹雄(No.45)
    獨協医科大学越谷病院臨床検査部 柴崎 光衛

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[Q&A] ◆免疫学的検査装置の開発・製造の認可
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(Q)免疫学的検査装置の開発・製造を行う場合、国または県の認可および開
発担当者に求められる資格について教えてください。(東京都 製造業勤務)

(A)免疫学的検査装置は、薬事法で規定する医療用具に該当すると思われま
すが、医療用具を業として製造又は輸入販売する場合は、薬事法の規定に基づ
き、厚生大臣又は都道府県知事の許可を受ける必要があります。しかし、ご質
問のように開発段階の試作品等の製造については、国又は県の許可は必要あり
ません。
 医療用具を業として製造する場合は、薬事法第12条に基づき、その製造場所
(製造所)について厚生大臣又は知事の許可を受ける必要があります。免疫学
的検査装置のような検査用器具を新たに製造しようとする場合には、その製造
所所在地の都道府県知事に医療用具製造業の許可の申請を行います。
 免疫学的検査装置の開発担当者の資格について、薬事法による規制は特にあ
りません。

回答日:2000年5月29日
回答者:日本臨床病理学会認定臨床検査医 森 三樹雄(No.45)

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[Q&A] ◆免疫血清検査の自動化
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(Q)HBs抗体を粒子凝集法(PA法)で検査を行っている施設はどのくらいあり
ますか。また、この方法を自動的に処理する装置にはどのくらいのニーズがあ
るでしょうか。(東京都 製造業勤務)

(A)HBs抗体をPHA法、PA法などのいわゆるマイクロタイター法で測定してい
る施設数は約20%前後と思われます。
 マイクロタイター法が一般的に普及し始めてから約30年になります。現在で
も梅毒検査、HBs抗原や抗体検査、抗HIV抗体検査など感染症関連検査を中心に
広く利用されています。マイクロタイター法が急激に減少することはないと思
いますが、しかし、徐々に減少していることも事実です。EIA法や化学発光法
などの自動化法や簡便な目視法であるイムノクロマトグラフィー法への移行が
原因です。このような現状で、マイクロタイター法の自動処理装置を開発され
ても、需要が少ないと思われます。あるメーカではだいぶ前からCCDカメラを
用いた判定機を発売しています。しかし、検査センターや一部の施設以外、一
般的に普及していないようです。
 以上の点から需要はあまり期待できないと考えられます。

回答日:2000年5月29日
回答者:日本臨床病理学会認定臨床検査医 森 三樹雄(No.45)
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[Q&A] ◆梅毒の自然治癒と母児感染
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(Q)西アフリカで、未治療で無症状の妊婦のRPRとTPHAがともに陽性という例
を経験しましたが、梅毒が自然治癒することがあるのでしょうか。一方、小児
は梅毒を発症する例が多かったのですが、これは親が不顕性感染であっても、
小児には感染しやすいということでしょうか。(山口県 臨床検査技師)

(A)梅毒は放置していても自然治癒するといわれています。津上の報告の中
でオスロー大学のBoeck教授の報告例と大阪万代診療所の例が紹介されていま
したので、その部分を抜粋しました。「Boeck教授は、梅毒患者に対し駆梅剤
を用いず対症療法のみを行った結果、6〜7割に後遺症を認めず、その半数は
血清反応も陰転化して自然治癒の経過をとった。また、大阪万代診療所の例で
は過去7年間の初診患者約5,000名の80%はすでに低い抗体価になっており、
戦後砒素剤療法を受けた655人と同年代の過去無治療グループ2,750人の抗体価
は大差なかった。また、こられのうち心血管系などに後遺症のある患者は少数
であったが、オスロー大学の例では心血管梅毒23 %、神経梅毒14%が認めら
れた」。このように自然治癒した報告がされています。
 先天梅毒は母親から胎児への垂直感染が原因です。先天梅毒でも無症状で血
清反応のみ陽性の例もあります。母親の感染時期によっても胎児への影響は異
なります。妊娠初期に感染すると、流産になる確率は高くなります。日本では
妊婦検診で梅毒検査が行われています。血清反応が陽性の場合、IgM-TPHAで早
期梅毒であるかの確認が行われ、治療が的確に実施されています。また、新生
児梅毒についても臍帯血のIgM-TPHAを測定し治療の有無を判断しています。し
たがって、小児梅毒で臓器に後遺症を残すような例はまれといえます。小児梅
毒の発病率は、母親の感染時期に影響されると考えられます。また、成人に比
べ免疫ネットワークが十分確立していない小児では、発症率も高いと思われま
す。

【参考文献】
[1]津上久弥:梅毒の治療.皮膚科MOOK、4、79-89、1986
[2]植村一郎:近年における婦人の梅毒について.モダンメディア、35、
  589-601、1989

回答日:2000年5月29日
回答者:日本臨床病理学会認定臨床検査医 森 三樹雄(No.45)
    獨協医科大学越谷病院臨床検査部 柴崎 光衛

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[人事消息]◆菅野剛史会員、浜松医科大学附属病院長に就任
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《新任》山口大学医学部附属医療技術短期大学部教授…服部幸夫
    中村学園大学食物栄養学科教授…………………津田博子
    浜松医科大学附属病院長…………………………菅野剛史

[2000年5月15日 庶務・会計幹事 高木 康]
 
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[編集後記]◆精度管理と検査医の役割
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 今回の記事にもあるように、検査医会の諸先生と現場の技師さんの並々な
らぬ努力で、わが国の外部精度管理は着実に実を結んでいるようである。
「SDの幅が狭すぎて困る」などというのは、一昔前から見れば夢のような話
であろう。このような地道な努力が、検査以外の領域からもっと認知が得ら
れるようになってほしいものである。それにしても、あまりに狭い幅で優劣
をつけるとなると、ほとんど臨床的意義に乏しい範囲で正当性を争うことと
なり、その時間的・費用的コストからみて、妥当とは考え難いのではあるま
いか。そのヒマがあったら、もっと安く、早く結果を返すよう精進したほう
が患者のためになる。すなわち臨床的有意性からみた精度管理の落とし所を
提案していくのが、技師さんより臨床を知っている「検査医」の役割と考え
る。結果記入時の取り違えについても、書式をできるだけ判りやすいものに
して、少しでも人為的ミスの起こりにくいサーベイになるよう希望してい
る。取り違えが少なければ少ないほど、お互いに検査室運営がうまく行って
いる証となるからである。

[編集委員 木村 聡]

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JACLaP WIRE No.24 2000年5月29日
■発行:日本臨床検査医会[情報・出版委員会]
■編集:JACLaP WIRE編集室■編集主幹:西堀眞弘
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