Lab. Clin. Pract., 19(2) : 126-130 (2001)

臨床検査医会振興会セミナー

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21世紀の臨床検査を考える
医療行政について

厚生労働省保険局医療課
松 谷 有希雄


診療報酬体系に係る今後の検討事項

 1. 基本認識
  ・平成12年度における医療制度改革,最近の経済動向,保険財政の状況などを踏まえつつ,今後の診療報酬体系のあり方について,どのように考えるか.
 2. 具体的検討事項
  ・以下は,1の基本認識を踏まえつつ,これまでの中医協における議論を参考に今後検討すべき主な事項をとりまとめたものである.
  (1) 機能分担と連携
   I.入院医療の機能評価
    ・入院医療の更なる質の向上と効率化を図る観点から,医療法改正等を踏まえつつ,入院基本料における諸要件等のあり方について,どのように考えるか.
   II.外来医療の機能評価
    ・病院外来機能とかかりつけ機能の明確化を図る観点から,平成12年度改定後の状況を踏まえつつ,どのように考えるか.
    ・かかりつけ歯科医機能,かかりつけ薬局機能を評価する観点から,平成12年度改定後の状況を踏まえつつ,歯科診療報酬,調剤報酬について,それぞれどのように考えるか.
   III.医療機関の連携の評価
    ・地域における医療機関の連携を促進するための診療報酬上の対応について,どのように考えるか.
  (2) 医療技術の適正評価
   I.「技術」の適正評価
    ・医療技術の評価の適正化を図る観点から,技術難易度や診療科特性,医科・歯科・調剤それぞれの固有の特性等を踏まえつつ,どのように考えるか.
    ・予防的治療技術など,予防医療の医療保険上の位置づけについてどのように考えるか.
   II.診療実績等に応じた機能評価
    ・看護必要度など診療実績等を評価するため,具体的な指標や把握方法等について,どのように考えるか.
  (3) 出来高と包括の最善の組み合わせ
   I.入院における出来高と包括の組み合わせ
    ・慢性期入院医療における包括払いのあり方についてどのように考えるか.
   II.外来における出来高と包括の組み合わせ
    ・慢性期外来医療における包括払いのあり方について,どのように考えるか.
  (4) 高齢者医療
   I.入院医療
    ・高齢者の慢性期入院医療について,介護保険創設後の状況も踏まえつつ,包括範囲等のあり方や療養病床における介護報酬との関係等について,どのように考えるか.
   II.外来医療,在宅医療
    ・高齢者の慢性期外来医療について,健康管理や予防も含めたプライマリケアの評価の観点から,どのように考えるか.
    ・介護サービスとの連携も踏まえつつ,寝たきり高齢者等への在宅医療のあり方について,どのように考えるか.
   III.介護サービスとの連携・調整
    ・リハビリテーションなど,医療サービスと介護サービスの連携・調整のあり方について,どのように考えるか.
   IV.終末期医療
    ・ターミナルケアの評価のあり方についてどのように考えるか.
  (5) 医療に係る情報提供の推進
   I.患者に対する診療情報の提供
    ・患者に対する十分な説明時間の確保等の観点から,初診における時間の要素の評価のあり方について,どのように考えるか.
    ・診療内容や薬剤に関する情報提供,入院時における診療計画の説明,診療に係る領収書の発行など,患者に対する情報提供を促進するための方策と評価のあり方について,どのように考えるか.
   II.医療事務の情報化等への対応
    ・診療報酬請求事務の電算化,被保険者証のカード化など,医療事務の情報化と評価のあり方について,どのように考えるか.
    ・医療事務の効率化,透明化を図る観点から,診療報酬請求,審査等の事務のあり方について,どのように考えるか.
  (6) 療養環境
   ・医療法改正や差額ベッド等の現状を踏まえつつ,療養環境の診療報酬上の評価のあり方について,どのように考えるか.
  (7) その他
   ・臓器移植,遺伝子治療など,先端医療技術と保険給付の範囲のあり方についてどのように考えるか.
   ・小子化への対応,医療機関における安全性確保への対応などについて,どのように考えるか.

薬価算定ルールに関する主な検討事項

 1. 調整幅方式等の薬価算定ルールについて
  ・調整幅方式をはじめとする現行の薬価算定ルールについてどのように評価するか.
 2. 先発品と後発品の薬価算定ルールについて
  ・先発品と後発品の同等性,役割等についてどのように評価するか.
  ・先発品と後発品の薬価算定ルールを見直すとした場合,どのような観点から見直しを行うべきか.また,具体的な方法としてどのようなことが考えられるか.
 3. 画期的新薬,希少疾病用医薬品等の薬価算定ルールについて
  ・現行の画期的新薬等の算定ルール(補正加算の範囲,加算率)についてどのように評価するか.
  ・現行の算定ルールを見直すとした場合,どのような観点から見直しを行うべきか.また,具体的な方法としてどのようなことが考えられるか.
 4. その他
  ・市場規模拡大に伴う再算定ルールについて見直しを行うとした場合,具体的にどのような方法が考えられるか.
  ・外国価格調整について見直しを行うとした場合,具体的にどのような方法が考えられるか.
  ・その他

特定保険医療材料に関する主な検討事項

 1. 新たな機能区分(決定区分 C1, C2)に係る事項
  ・価格設定方式についてどのように考えるか.
  ・革新的な材料等の保険適用時期,新規の機能区分の決定時期等についてどのように考えるか.
 2. 既存の機能区分に係る事項
  ・価格改定方式(R幅方式)についてどのように考えるか.
  ・既存の機能区分の見直しについてどのように考えるか.
 3. その他


















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