Lab. Clin. Pract., 19(2) : 60 (2001)

第11回 春季大会記


開会の言葉

大 会 長
巽   典  之



2001年に日本臨床病理学会が日本臨床検査医学会と名称変更された最初の認定臨床検査医春季大会が平成13年4月20・21日に大阪市立大学医学部学舎で開催され,全国から検査医120名にのぼるご参加を得た.
第1日目は大場康寛先生ご司会で聖路加病院臨床病理科・村井哲夫先生が「臨床病理医37年の履歴」との演題で,ご講演いただいた.先生は日本臨床病理学の発祥の教室で順天堂大学に1964年に入局され,小酒井 望教授,林 康之助教授,河合 忠講師のもとで臨床病理の真髄を学ばれた後,藤沢市民病院,筑波大,聖路加病院と移られ,それぞれの場で新しい検査室を構築された.その履歴の中で,技師の病棟採血実践,検査データや細菌検査データ検索システムの構築,検査室のFMS化など,経験に基づくいろいろな場面をご紹介され,一同,大いなる感銘を受けた.
第2日目は,第1部「最近注目されている専門分野での臨床検査」として,東大・中原一彦教授のご司会のもと,近畿大・山住俊晃先生が真菌症検査,広島大・神辺真之先生が呼吸生理学,阪大・網野信行先生が臨床化学分野の糖尿病に対す新しい疾病概念を提示され,また,福島医大・吉田 浩先生は免疫・腫瘍マーカに関する考え方をご報告された.第2部「私のライフワーク」は,阪大・網野信行先生のご司会で,関西医大・高橋伯夫先生が食塩摂取と高血圧,大阪医大・清水章夫先生が質量分析とタンパク質構造異常症,神戸大・熊谷俊一先生が自己免疫とリンパ球の役割についてお話しされた.第3部は「検体検査加算と検査医の役割」と題し,和歌山医大・三家登喜夫先生と京大・一山 智先生のご司会で,天理よろず相談所・松尾収二,奈良医大・岡本康幸,日大・熊坂一成,京府立医大・藤田直久,大阪市立総合医療センター・井上 健,日本医学臨床・佐守友博の各先生がパネリストとしてお話しされた.最後に森 三樹雄先生に閉会の辞をいただいた.次期大会は濱崎直孝教授により九州大学で行われる予定である.