[ 知っておきたい! 病気予防の検査の知識(10)] 2006.01.01

糖尿病を予防するために受ける検査

 

日本臨床検査専門医会  富 永 真 琴


糖尿病人口が増えている
 平成14年の厚生労働省の糖尿病実態調査によれば、「糖尿病が強く疑われる人」は740万人。ライフスタイルの変化とともに糖尿病が増加しています。糖尿病は気付かないでいて高血糖が放置されると、網膜症や腎症など重大な合併症が生じます。のみならず、糖尿病は心筋梗塞や脳卒中の大きな危険因子でもあります。検診を受けて「少し血糖値が高い」と言われたとしても、少しぐらいならとたかをくくり医療機関を受診しないでいたら、心筋梗塞を発症したという人も少なくありません。

「血糖値が気になったら"ナントカ茶"」?
 糖尿病が恐い病気だという理解は少しずつ広まっています。テレビや新聞その他で「血糖値が気になったら"ナントカ茶"」というコマーシャルをよく見かけるようになり人した。血糖値を気にかけること自体は良いことだと思いますが、ナントカ茶を飲めばそれでよいのでしょうか。ナントカ茶を飲んで実際に血糖値が健康に心配のないレベルまで低下したことを確認する必要はないのでしょうか。

血糖値の判断の目安
 健康に心配のない血糖値とは空腹時に採血したのであれば、75〜100mg/dlのことです。この範囲内にあれば心配がないかというと、そうではないことが問題を複雑にしています。近年の疫病研究で明らかになったことは、ブドウ糖負荷試験の負荷後血糖値が140mg/dl以上だと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが増すということです。この場合は、日常的には食後の血糖値が高いということですが、たとえ軽微な過剰であっても心筋梗塞や脳卒中のリスクであり、食後の血糖値は少なくとも140mg/dl以下が望ましいのです。

ヘモグロビンA1c値の判断の目安
 ヘモグロビンA1c(エー・ワン・シーと読む)は平均の血糖値の指標として使われます。基準値は5.8%以下です。空腹時血糖値が基準値範囲内でもヘモグロビンA1cが5.8%を超えると、食後高血糖であることが多く、いわゆる「かくれ糖尿病」であることが多いのです。

糖尿病を予防しよう
検査で糖尿病予防の効果を確認しよう

 軽度の食後高血糖を正常に引き戻すには日々の食事に気を配り運動習慣を身につけることが大切です。血糠値が気になったら"ナントカ茶"を飲めば良いのではなくて、食事や運動を好ましいものに改め、さらにその効果を血糖やヘモグロビンA1cを測って確かめるのがよいと思います。