[ 知っておきたい! 病気予防の検査の知識(7)] 2005.10.01

血が止まりにくい人が注意したい検査

 

日本臨床検査専門医会  腰原 公人


 鼻血で耳鼻科にかかり処置を受けたけどその後も止まりにくい、また両側の鼻で繰り返す。皮膚に点状の赤い出血斑が自然とできてしまう、ぶつけた記憶もないのに紫色の斑状の出血斑ができやすい。原因がよくわからない下血、血尿、過多月経など、これらの症状を感じたことがある人は、一度は出血傾向がないかどうかの検査について医師に相談しましょう。

 出血傾向の原因は、主に血小板、凝固線溶系蛋白、血管壁の三つに分けて考えると良いでしょう。血管が破けるとまずは血小板がそこに集まって塞ごうとします。血小板の数が重要です。数を調べ、問題がない場合は機能について調べることになります。凝固線溶系蛋白の検査としては、それらの蛋白の機能に調和がとれているかどうか、活性化部分トロンボプラスチン(APTT)とプロトロンビン時間(PT)の検査を行います。そして血小板同士の糊の役割を演じている凝固線溶系蛋白であるフィブリノゲンについてもその量を調べます。これらに異常がない場合は毛細血管の弱さや透過性の亢進が原因と考えられます。

 検査を受ける時は、過去の病気や治療中の病気、飲んでいる薬、そして兄弟両親などに同じ様な症状の人がいないかを必ず医師に話しましょう。