[ 専門医の検査のはなし 20 ] 2004.12.01

インフルエンザの検査はどうするの?

日本臨床検査専門医会


インフルエンザはふつうのかぜではありません。
 「かぜ」はくしゃみ、鼻汁、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などの症状で、「普通感冒」と言われます。この普通感冒は一年中を通してかかりますが、とくに1〜3月に多くなります。
 インフルエンザはかぜ(普通感冒)同様の時期に流行を起こしますが、かぜより症状は重く、突然38℃以上の発熱があり、頭痛や関節痛、倦怠感(だるさ)などの全身症状を伴います。
 インフルエンザはかぜとは区別され、ワクチンで予防できますし、簡単な検査によって診断することができます。また、インフエルンザウイルスに効果のある薬もできました。

インフルエンザの検査とは?
 インフルエンザの検査は簡単な検査ですので、どの医療機関でもできます。流行時はかぜかなと思ったら、早めに受診しましょう。熱が出て2日以内ならウイルスの量が多いので、検査でプラス(陽性)となります。検査の材料は、鼻の中に綿棒を入れるだけで取ることができますので、すぐに済みます(図)。また、結果は15〜20分位でわかりますので、お待たせすることもありません。ただし、ウイルス量が少ないと結果がマイナス(陰性)になることがあります。その場合でも、症状からインフルエンザが疑われ、ウイルスに対するお薬が出る場合があります。また、同じ年に人によっては最初にA型、治ってからB型と二度かかる場合もあります。

インフルエンザの治療は
 早めに治療し、体を休め、他の人にうつさないことが大事です。最近、インフルエンザに対するお薬が開発されました。症状が出て早く服用しないと効果がないとされていて、医師の判断にもよりますが、3〜5日位処方されます。服用するとしだいに症状がやわらいできますが、安静にして、十分に水分を補給しましょう。

インフルェンザにかからないためには
 インフルエンザにかからないためには予防することが最も大事です。そのためには、流行前(11月下旬頃まで)に予防接種を受けることです。健康成人では1回で十分ですが、65歳以上の方や、基礎疾患(呼吸器・心疾患)のある方、小学生・乳幼児は、1ケ月位間をおいて2度行うのが有効です。ウイルスは年々変化するため、予防接種は毎年受けることをお勧めします。また、インフルエンザウイルスは空気によって感染しますので、インフルエンザが流行してきたら、人混みへの外出をできるだけ避けて下さい。外出時にはマスクを着け、帰ってきたら必ずうがい、手洗いをするようにしましょう。疲れていたり、冷えたりするとインフルエンザにかかりやくなります。日頃からバランスのよい栄養をとり、休養をとるよう心がけましよう。