血小板は赤血球の直径の約1/4程度の小さな細胞で、血液1マイクロリットル中に約20万個存在しています。この小さな血小板が、血液が流出する血管の裂け目に貼り付き、スクラムを組み止血します(血小板粘着・凝集)。また、貼り付いた血小板はぞれだけでは弱いので、血液を固める物質(凝固因子)などを放出し、傷ついた血管の裂け目に付いている血小板などを強固にします(血液凝固)。これは河川の堤防が壊れたときに、まず土嚢を積み(血小板粘着・凝集)より強固にするためコンクリートで固める(血液凝固)ようなものと考えると解かり易いかも知れません。このように血小板は出血後の止血に大変重要なものです。血小板がない、またはうまく働かなければ、出血した場合止血困難となり、場合によっては死に至るかもしれません。 血小板を調べることは、通常二つの場合に行います。一つはもちろん血が止まり難い、出血傾向がある場合です。打撲後紫のあざが出来易い(紫斑)、鼻血が止まりにくい、歯茎から出血し易いなどです。二つめは手術の前など、これから血管を傷つけるようなことを行う場合です。血小板が間題ないことを確認しておかなければ、手術後血が止まらなくて困ります。 血小板を調べる方法は、二つに分けられます。量と質です。量は血小板の数です。数が多いか少ないか。少ない場合、使われて少ないのか(消費性低下)、作ってないのかなどを検索します。出血傾向があるのに、血小板の数が間題なければ、質の検査を行います。質の検査は、血小板機能検査と呼ばれます。出血時間は、皮膚を傷つけ血が止まるまでの時間を測ります。血小板粘着能は、異物に血小板を触れさせ、異物に付着する能力を検査します。また血小板凝集能は、凝集をおこす物質を加え、血小板が互いに凝集するかを見る検査です。 このような血小板検査は、安心して手術を受けたり、血が止まり難いときにどのような治療を行うかを決める重要な検査です。 |