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ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)(準用先区分D007−33)(区分D−2)

平成13年12月1日より適用の血液化学検査
保険点数:230点 定性検査
カットオフ値:6.2ng/mL未満
直線性:2,000 ng/mL
製品名:ラピチェック H-FABP
製造元:湧永製薬(株) TEL:06-6350-3555
発売元:大日本製薬(株)  TEL:06-6386-2164
測定法:免疫クロマトグラフィー法 5テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:15分 自動化:不可
検体:全血(EDTAまたはヘパリン使用)
【特徴】全血を血液滴下部に滴下すると、血球分離膜で血球が分離され、血漿がストリップ上を展開する。金コロイド標識抗H-FABP抗体とストリップ上に固相化された抗H-FABP抗体により、血漿中のH-FABPとサンドイッチ状の免疫複合体が形成され、現れる赤紫色の線を肉眼的に検知する。
 急性心筋梗塞(AMI)は治療開始までの時間が大きく予後に影響することから、早期診断が重要である。胸痛を有し、AMIが疑われる患者は心電図や心筋傷害マーカーの検査により診断される。しかしながら、発症早期においては従来からある検査による診断精度には限界があり、より早期に精度良く診断できるマーカーが望まれていた。ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)は、心筋細胞の細胞質に比較的豊富に存在する低分子可溶性蛋白で、心筋虚血障害を受けると速やかに血液中に逸脱する蛋白であることから、胸痛発症後3~12時間のAMIの早期診断に有用である。既にELISAによるH-FABPの測定が保険適用(平成11年1月)され、臨床的に利用されている。本キットは、H-FABPを特異的に認識する2種のマウスモノクローナル抗体を用いた免疫クロマト法を検出原理としており、特別な機器を必要とせず、全血150μLを滴下するのみの簡易な操作で短時間に全血中のH-FABPを検出することができる。本キットは、従来のELISA法に比べて簡易性・迅速性に優れたPOCTであり、緊急検査として循環器救急あるいは外来診療において実施できる。
 本法と他法(マーキットH-FABP、ELISA法)とを比較するとそれぞれ、有病正診率は94.3%(66/70例)、88.6%(62/70例)、無病正診率は50.0%(19/38例)、57.9%(22/38例)であった。
 AMIの診断についてH-FABP、ミオグロビン、トロポニンT、CK-MBの有病正診率を比較すると、それぞれ94.3%(66/70例)、52.9%(37/70例)、48.6%(34/70例)、30.0%(21/70例)となり、無病正診率は50.0%(19/38例)、78.9%(30/38例)、89.5%(34/38例)、94.7%(36/38例)となった。
【保険請求上の注意】ただし、ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)と同区分の「33」のミオグロビン精密測定を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
【文献】Watanabe T, et al.: Development of a simple whole blood panel test for detection of human heart-type fatty acid-binding protein.
Clinical Biochemistry, 34: 257-263, 2001.
 

乳頭分泌液中CEA精密測定(準用先区分D009−17)(区分D−2)

平成13年12月1日より適用の腫瘍マーカー
保険点数:360点
基準範囲:400ng/mL以上陽性
測定範囲:100〜1000ng/mL
製品名:ラナマンモカード CEA
製造・発売元:日本化薬(株) TEL:03-3237-5225
測定法:免疫クロマトグラフィー法 5テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:15分 自動化:不可
検体:乳頭分泌液
【特徴】試験紙中の金コロイド標識抗CEAモノクローナル抗体(マウス)は、検体中のCEAと反応して複合物を形成する。この複合物は下流の抗CEA抗体(ウサギ)を固定した判定ライン上に補足され、検体中のCEA濃度に応じて、濃さの異なる赤紫色の着色を呈する。
 「ラナマンモカード CEA」は、イムノクロマトグラフィー法により乳頭分泌液中のCEAを測定し、乳癌の早期診断に用いられる。乳頭異常分泌は乳癌、乳管内乳頭腫、乳腺症などの乳管増殖性病変に対する臨床像の一つである。特に腫瘤を触知しない無腫瘍性乳癌で、乳頭異常分泌液中のCEAを測定し、癌を発見することが多い。400ng/mlをカットオフ値とすると、有腫瘤性乳癌の陽性率は43%(13/30)、無腫瘤性乳癌の陽性率は73%(22/30)であった。無腫瘤性乳癌について比較すると、乳頭異常分泌中CEA、マンモグラフィー、乳管造影、乳頭分泌液細胞診における有病正診率は、それぞれ73%、9%、39%、29%であり、無病正診率は91%、85%、84%、99%と他の方法と比較し良好であった。すでにEIA法を測定原理とする持田製薬(株)の「マンモテック」が平成3年7月に保険適用を受けている。本キットとマンモテックとの相関係数は、y=0.984x+2.21で、相関係数は、r=0.9879と良好であった。測定時間は15分と短く、試験紙上に現れた赤紫色のラインを目視で判定する。本法と他法(マンモテック)を比較すると有病正診率は64%(7/11例)、73%(8/11例)、無病正診率は100%(24/24例)、96%(23/24例)であった。
【保険請求上の注意事項】乳頭異常分泌患者に対して非腫瘤性乳癌を強く疑って、乳頭分泌液中のCEAを測定した場合に算定する。
【文献】西 敏夫,他:乳頭分泌液中CEA測定の新しいImmunochromatographic assay法の検討.第9回日本乳癌学会 総会プログラム・抄録集,A-172,2001.
 

グリコアルブミン (準用先区分D007−21)(区分D−2)

平成13年11月1日より適用の血液化学検査
保険点数:85点  定量検査
基準範囲:11.6%〜16.4%
製品名:ルシカ GA
製造・発売元:旭化成(株)      TEL 03-3259-5875
測定法:酵素法      82テスト/キット、シングル測定
結果が出るまでの時間:5分   自動化:可
同時再現性:0.45%〜0.67%   日差再現性:0.69%〜1.50%
検体:血清、血漿(EDTA-2Na,EDTA-2K)
【特徴】HbA1cが過去1〜2カ月間の血糖コントロールの指標であるのに対し、グリコアルブミンは過去1〜2週間と短期間の血糖コントロール状態の指標とされている。糖尿病治療においては短期間の指標であるグリコアルブミンの測定値が必要となる場合が多い。例えばインスリンや経口血糖降下剤開始時や効果の判定時、血糖が不安定な症例などで有用となる。
 従来からのHPLC法に比較し本法は測定時間は5分間と短く、自動化により多数検体が測定できる。健常者および患者の血清、または血漿(EDTA血漿)を検体として、本法と他法(HCPL法)との相関性を求めた結果は、血清検体を用いた場合、回帰式はY=0.979X+0.362、相関係数r=0.989、血漿検体を用いた場合は、回帰式はY=0.982X+0.507、相関係数r=0.992で良好な相関を示した。
【保険請求上の注意】特になし
【文献】田中 逸、河盛 隆造:グリコアルブミン:測定の意義と活用のポイント.プラクティス.12:476〜479,1995
 

インフルエンザAウイルス抗原 (準用先区分D012−16) (区分D−2)

平成13年11月1日より適用の感染症血清反応
保険点数:190点      定性検査
製品名:キャピリア Flu A
製造元:(株)タウンズ   TEL 0559-25-6200
発売元:日本ベクトン・ディッキンソン(株)   TEL 03-5413-8380
測定法:免疫クロマトグラフィー法   5テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:15分      自動化:不可
検体:その他(鼻腔吸引液、鼻腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液)
【特徴】インフルエンザは、悪寒,戦慄,全身けん怠,筋肉痛,関節炎,頭痛,咽頭痛などを伴った発熱を特徴とするインフルエンザウイルスに起因する呼吸器感染症である。さらにインフルエンザは、高齢者,小児,妊婦,呼吸器疾患患者に時として重篤な合併症を引き起こし、その進行が極めて早いことから、迅速な診断と治療が求められる。免疫クロマトグラフィー法によるワンステップの迅速(15分)で簡便な試薬キットである。
 分離培養及びPCRを基準として本法と比較すると、鼻腔吸引液での有病正診率は95%(41/43例)、無病正診率は100%(57/57例)であった。鼻腔ぬぐい液について同様に比較すると、有病正診率は71%(10/14例)、無病正診率は100%(52/52例)となり、咽頭ぬぐい液では有病正診率は83%(24/29例)、無病正診率は100%(29/29例)となった。
【保険請求上の注意】インフルエンザAウイルス抗原は、発症後48時間以内に実施した場合に限り、区分「D012」感染症血清反応の「16」に準じて算定する。
 インフルエンザAウイルス抗原と同区分「9」のウイルス抗体価のインフルエンザウイルスA型、インフルエンザウイルスA/Bウイルス抗原またはノイラミニダーゼを併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
【文献】山崎雅彦,他:4種類のA型、B型インフルエンザウイルス迅速診断キットの臨床的検討.日本感染症学会・日本化学療法学会合同学会、講演抄録集.P41,2001.


インフルエンザBウイルス抗原 (準用先区分D012−16) (区分D−1)

平成13年11月1日より適用の感染症血清反応
保険点数:190点      定性検査
製品名:インフルB−AD「生研」
製造・発売元:デンカ生研株式会社      TEL 03-3669-9091
測定法:酵素免疫測定法   96テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:150分      自動化:可
検体:鼻腔吸引液、鼻腔拭い液、咽頭拭い液
【特徴】本キットは、患者から採取した咽頭拭い液、鼻腔吸引液、鼻腔拭い液中のB型インフルエンザウイルス抗原を検出するキットである。ウイルス分離培養法に比べて短時間で結果が得られ、ウイルス分離培養法を基準として本キットと比較すると、鼻腔吸引液を検体とした場合は、有病正診率80.0%(16/20)、無病正診率96.9%(31/32)、咽頭拭い液を検体とした場合、有病正診率42.5%(17/40)、無病正診率100%(88/88)であった。治療に際し、既存のA型インフルエンザウイルス抗原検出キットと併用して、A型・B型の鑑別を行うことは、抗ウイルス剤の選択への有効な情報となり、より適切な対応が可能となる。
【保険請求上の注意】インフルエンザBウイルス抗原精密測定は、発症後48時間以内に実施した場合に限り、区分「D012」感染症血清反応の「16」に準じて算定する。
 インフルエンザBウイルス抗原精密測定と本区分「9」のウイルス抗体価のインフルエンザウイルスB型、インフルエンザウイルスA/Bウイルス抗原またはノイラミニダーゼを併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
【文献】西川 眞,他:酵素免疫測定法によるB型インフルエンザウイルス抗原検出用キット(インフルB−AD「生研」)の評価.新潟医学会雑誌.115(9):476〜479, 2001


ノイラミニダーゼ (準用先区分D012−16) (区分D−1)

平成13年11月1日より適用の感染症血清反応
保険点数:190点         定性検査
製品名:ジースタットフルー A&Bキット
製造元:ZymeTx Inc.   Oklahoma City, U.S.A.
輸入・発売元:(株)ニチレイ      TEL03-3248-2207
測定法:酵素化学的測定法      10または20テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:22分      自動化:不可
検体:咽頭ぬぐい検体
【特徴】本キットはインフルエンザウイルスA型およびB型ウイルスの検出が可能である (ただし、A型及びB型の鑑別は不可)。簡単にインフルエンザウイルスA型及びB型を検出でき、臨床現場(開業医、一般病院)で迅速に22分診断できる。インフルエンザウイルスA型及びB型に有効な治療薬が市販され、診断キットによる迅速診断とその後の治療という観点から重要と考えられる。既存の診断キットと比較して本品は室温での保存が可能で、結果の判定は容易である。
 既存キット(インフルエンザOIA、第一化学薬品)を基準として比較したところ、本キットの咽頭ぬぐい液における有病正診率は67.4%(29/43)で、無病正診率は62.7%(37/59)であった。
【保険請求上の注意】前述したインフルエンザAウイルス抗原、インフルエンザBウイルス抗原と同じ
【文献】三田村敬子,他:ノイラミニダーゼ活性を利用したA,B型インフルエンザウイルス迅速診断キットの臨床的検討,感染症学雑誌,74(10):12-16, 2000
 

ループス抗凝固因子(準用先区分D014−19)(保険区分D−2)

平成13年11月1日より適用の自己抗体検査
保険点数:390点   定性検査
基準範囲: 8秒以上の場合を陽性
製品名:スタクロットLA
製造元:DIAGNOSTICA STAGO   Asnieres FRANCE
輸入・発売元:ロシュ・ダイアグノスティックス(株)   TEL 03-5443-5277
測定法:リン脂質中和法      20テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:約16分   自動化:可
検体:血漿(クエン酸ナトリウム)
【特徴】ループス抗凝固因子(LA)は、リン脂質依存症に血液凝固を抑制する抗凝血素である。LAは抗リン脂質抗体症候群の診断に必須検査である。抗リン脂質抗体症候群は、静脈血栓症、動脈血栓症、習慣性流産、血小板減少症などをきたす後天性の血栓性疾患である。現在、LAを検出する試薬の条件は、1)リン脂質依存性の凝固時間延長が認められること、2)抑制効果は正常プール血漿に及ぼす患者血漿の影響により証明されること、3)抑制効果はリン脂質依存性により証明されること、4)抑制効果が凝固因子に対して特異的でないことが挙げられている。本キットは、これらの条件を満たしており、感度よくLA検出することが可能である。LAの早期発見と病態把握による早期治療に有用である。
 本キットと「LAテスト(グラディボア)」の相関は一致率100%と良好である。
【保険請求上の注意】ループス抗凝固因子は抗リン脂質抗体症候群の診断を目的として行った場合に限り、区分「D014」の自己抗体検査の「19」に準じて算定する。
【文献】永井桂純,他:全自動凝固測定装置STAを用いたループスアンチコアグラント検出の検討.医学と薬学,42:809〜815,1999

インフルエンザA/Bウイルス抗原 (準用先区分D012-16) (区分D-2)

平成13年10月1日より適用の感染症血清反応
保険点数:190点 定性検査
判定:赤いラインの出現した場合を陽性
製品名:ラピッドビューインフルエンザA/B
製造元:Quidel Corp, San Diego, CA, USA
輸入元:住友製薬(株)  TEL:0726-27-8112
発売元:住友製薬バイオメディカル(株) TEL:06-6229-5645
測定法:免疫クロマト法  25テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:約12分 自動化:不可
検体:鼻腔ぬぐい液、鼻腔洗浄液
【特徴】検体から抽出されたインフルエンザウイルス抗原が、ストリップ上の着色微粒子結合抗体と複合体を形成しながら移動し、さらに展開面に固定化された第2の抗体に捕捉されて、抗体-抗原-標識抗体の複合体が形成されることで現れる赤色の線を肉眼で検知する。
 インフルエンザは、A型またはB型インフルエンザウイルスの感染による流行性の急性呼吸器感染症で、その臨床像は、上気道炎症状に加えて、突然の高熱と全身倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状を特徴とし、時には入院、死亡に至ることもある重篤な感染症である。従って、インフルエンザを他のかぜ症候群と正確に鑑別することは重要である。
 本キットは、ヒトに感染するインフルエンザウイルスであるA型およびB型抗原を特異的に認識し、かつウイルス表面抗原の各種変異の影響を受けないマウスモノクローナル抗体を数種組合せて作製された免疫クロマト法のキットである。本キットは、特別な器具を必要とせず、簡便な操作で短時間に患者鼻腔中のA型及びB型インフルエンザウイルスを高感度に検出することができる。
 本キットについて、細胞培養によるウイルス分離を基準として実施した臨床評価の結果は、鼻腔拭い液検体では、有病正診率は73%(79/108例)、無病正診率は96%(159/166例)、鼻腔洗浄液では、有病正診率は81%(22/27例)、無病正診率は99%(68/69例)であった。因みにA型とB型インフルエンザの治療薬には「リレンザ」と「タミフルカプセル75」がある。またA型インフルエンザのみの治療薬には「シンメトレル」がある。
【保険請求上の注意】発症後48時間以内に実施した場合に限り、感染症血清反応の「D012-16」に準じて算定する。
【文献】川上千春,他:感染症誌 75(9):792-799, 2001

HCV核酸同定検査 (準用先区分D023-4) (区分D-2)

平成13年10月1日より適用の微生物核酸同定・定量検査
保険点数:560点 定性検査
判定:1.00以上は陽性  1.00未満は陰性
製品名:TMAアッセイHCV
製造元:Gen-Probe Incorporated, San Diego, California, U.S.A.
輸入元:中外診断科学(株)   TEL:03-3987-0705
発売元:バイエル メディカル(株) TEL:03-3440-2411
測定法:TMA法  100テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:4時間30分〜5時間  自動化:不可
検体:血清、血漿(EDTA、ACD)
【特徴】本キットは、キャプチャープローブを用いてRNA抽出を行った後、TMA(Transcription Mediated Amplification)法による核酸増幅を行い、増幅されたRNAをHPA(Hybridization Protection Assay)法により化学発光値として検出する。本キットは、C型肝炎の治療方法の選択及び治療経過の観察に使用する。特に治療方法の選択については、HCV抗体陽性でHCV核酸定量検査で検出限界を下回った症例に使用できる。
 本キットの特徴としては、HCV RNAの5'非翻訳領域をターゲットとし、キャプチャープローブを用いたRNA抽出、TMA法による核酸増幅及びHPA法による増幅RNAの検出を行うことにより血中のHCV RNAを高感度に検出する。
 基準としては、PHA(受身赤血球凝集反応)法にて陽性と判定された血液をEIA法(HCV・EIA3.0「ダイナボット」)及びin house RT-PCR法を用いて陽性と確認された検体を「HCV陽性検体」とし、本法とアンプリコア法との比較検討した。本法とアンプリコア法の有病正診率はそれぞれ100%(40/40例)、97.5%(39/40例)、無病正診率は100%(30/30例)、100%(30/30例)と良好であった。
【保険請求上の注意】「4」のHCV核酸同定検査はPCR法又はTMA法により、C型肝炎の治療方法の選択及び治療経過の観察に用いた場合にのみ算定できる。
 治療方法の選択の場合においては、抗体陽性であり、かつ、「7」のHCV核酸定量検査で検出限界を下回るものについて実施した場合に算定できるものとし、治療経過の観察の場合においては、本検査と「7」のHCV核酸定量検査を併せて実施した場合には、いずれか一方に限り算定する。
【文献】Christoph Sarrazin., et al.:Detection of Residual Hepatitis C Virus RNA by Transcription Mediated Amplification in Patients With Complete Virologic response According to Polymerase Chain Reaction-Based Assays. Hepatology 32 (4): 818-823, 2000

抗抗酸菌抗体価精密測定(準用先区分D012-12)(区分D-1)

平成13年7月1日より適用の感染症血清反応
保険点数:140点  定性検査
製品名:マイコドット
製造元:Mossman Associates, Blackstone,MA,U.S.A
輸入元:(株)ラムコジャパン TEL:0722-57-3309
発売元:(株)和光純薬    TEL:03-3270-9131
測定法:金コロイド呈色法  96テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:20分   自動化:不可
検体:血清
【特徴】金コロイド呈色法により、血清中の抗抗酸菌(Lipoarabinomannan, LAM)抗体を検出する。テストコーム表面に固定された抗原と血清中抗抗酸菌抗体との抗原抗体複合体を形成させ、これに金コロイド結合プロテインA(呈色液)を作用させて結合、呈色させる。
 抗酸菌に関する検査法は多数あるが、基本となるのは塗抹法と培養法である。しかし、従来法はそれぞれに長所、短所がある。本キットは肺結核症において塗抹法や培養法で陰性となった検体からも検出できるのが特徴である。活動性肺抗酸菌症での有病正診率は77.3%(119/154例)、健常者での無病正診率は94.4%(102/108例)、診断効率は84.4%(221/262例)であった。従来、診断が困難とされていた活動性の排菌陰性症例での陽性率は68.8%(33/48例)であった。肺抗酸菌症発症当初塗抹陰性であった活動性症例でも陽性率は69.6%(64/92例)であった。
 本キットで使用している抗原(LAM)は抗酸菌共通の特異抗原であるため、非定型抗酸菌症例での陽性率も61.8%(21/34例)と高い。陳旧性肺抗酸菌症での陽性率は33.9%(20/59例)と低い。本法は、検体として血清を使用するため、飛沫感染がなく安全性に優れている。また、操作が簡便で短時間(約20分間)に測定が可能である。本法は臨床症状、X線所見において結核症が疑われ、排菌陰性の活動性抗酸菌症(肺結核症)の補助診断法として有用である。本法は抗体価を測定する性質上、初診時陰性の症例でも2〜3週間後にペア血清として測定すると陽性となる場合も多い。
【保険請求上の注意】特になし。
【文献】螺良英郎他:抗酸菌抗体検出法の臨床有用性に関する共同研究,結核,72:611-615,1997

マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)精密測定(準用先区分D014-10) (区分D-1)

平成13年6月1日より適用の自己抗体検査
保険点数:190点   定量検査
基準範囲:男性 130ng/mL以下, 女性 55ng/mL以下
直線性:12.5〜400ng/mL
製品名:パナクリアMMP-3
製造・発売元:富士薬品工業(株)  TEL:0766-26-4423
測定法:EIA法  43テスト/キット(ダブル測定)
結果がでるまでの時間:約3時間  自動化:可
検体:血清
【特徴】MMP-3分子上の異なる部位を認識する2種類のモノクロ-ナル抗体を用いた1ステップサンドイッチEIA法である。MMP-3、抗体結合ビ-ズ酵素標識抗体反応により三者の複合体が形成される。次にこの複合体の酵素活性測定により、血清中のMMP-3濃度が求められる。わが国のRA(慢性関節リウマチ)確定患者数は33万人、RAが強く疑われる人は60万人いるといわれている。RA患者のうち進行が速いタイプは全患者の35%を占めているが、適切な治療により改善する可能性がある。
 本キットは2種類のモノクロ抗体を用いたサンドイッチEIA法によりMMP-3を測定するものである。MMP-3は関節破壊を予測する因子として、RA患者の早期診断、治療、経過追跡に有用で、早期治療により関節の破壊や変形を防止し、患者の障害を少なくすることができる。RA患者の診断や治療の指標としてMMP-3、CA・RF(抗ガラクト-ス欠損IgG抗体)、RF(リウマトイド因子)などがある。RAと確定診断された患者について、これら3つの検査の有病正診率をみると、それぞれ91.7%、81.7%、70.4%とMMP-3が良好であった。また、無病正診率は、それぞれ85.9%、78.9%、83.4%であった。MMP-3が高値持続症例では関節破壊が進行している。  その他の膠原病での有病正診率は、SLEで86.7%、23.3%、3.6%、シェ-グレン症候群で40.0%、70.0%、50.0%、MCTDで54.3%、68.6%、60.6%であった。
【保険請求上の注意】D015血漿蛋白免疫学的検査の(10)「21」のIgG型リウマチ因子精密測定、「17」のCq結合免疫複合体精密測定、「19」のC3d結合免疫複合体精密測定及び「20」のモノクロ-ナルRF結合免疫複合体精密測定ならびに区分「D014」自己抗体検査「10」の抗ガラクト-ス欠損IgG抗体精密測定およびマトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)精密測定のうち2項目以上を併せて実施した場合には、主たる点数のみを算定する。
【文献】H.Yamanaka, et al.:Serum matrix metalloproteinase 3 as predictor of the degree of destruction during the six months after measurment in patients with early rheumatoid arthritis,Arthritis & Rheumatism,43:852-858,2000

抗LKM-1抗体精密測定(準用先区分D014-18)(区分D-1)

平成13年6月1日より適用の自己抗体検査
保険点数:360点 定量検査
基準範囲:Index値  15未満陰性
製品名:MESACUP LKM-1テスト
製造・発売元:(株)医学生物学研究所 TEL: 052-971-2081
測定法:ELISA法 96テスト/キット(ダブル測定)
結果が出るまでの時間:約150分 自動化:可
同時再現性:1.0〜9.0% 日差再現性:2.6〜8.0% 検体:血清
【特徴】CYP2D6リコンビナント蛋白質を感作したマイクロカップに、検体(抗LKM-1抗体)及び陰性・陽性標準液を添加し、さらにペルオキシダ-ゼ標識抗ヒトIgG及びペルオキシダ-ゼ標識抗ヒトIgMを添加して抗原・抗体・酵素標識抗体の免疫複合体を形成させる。これに酵素基質(過酸化水素及びテトラメチルベンチジン)を添加し、発色させる。反応停止後、吸光度(A450)を測定し、検体中の抗LKM-1抗体の量を測定する。
 肝機能異常が認められた場合の疾患には、ウイルス性肝炎、アルコ-ル性肝炎、薬剤性肝障害、自己免疫性肝炎(AIH)などがある。AIHの診断には、患者血清中に自己抗体の存在を証明することが重要である。AIH-I型では抗核抗体が陽性となるのに対し、AIH-II型では抗LKM-1抗体が陽性となる。抗LKM-1抗体は、C型肝炎でも一部陽性となり、そのため本来のAIH-II型に陽性像がみられるものをAIH-II a、 C型肝炎に陽性像がみられないものをAIH-II bと区別している。抗LKM-1抗体の検出は、齧歯動物の腎組織を基質として用いた近位尿細管上皮細胞の蛍光像により判定してきたが、この方法は手技が複雑で、日常検査として普及していない。これに対し、抗LKM-1抗体は血中の抗体価を日常検査として自動分析器で測定できる。
 抗LKM-1抗体のEIA法と間接蛍光抗体法(IF法)との相関をみたところ、99.3%(664/669)に判定の一致がみられた。その内訳はAIH-II型で100%、AIH-I型で97%、PBCで98.7%であった。IF法を対照にとり、抗LKM-1抗体での有病正診率は100%(30/30)、無病正診率は99.2%(634/639)であった。以上のようなことから抗LKM-1抗体検査は日常検査として使用できる。
【保険請求上の注意】抗LKM-1抗体精密測定はウイルス肝炎、アルコ-ル性肝障害及び薬剤性肝障害のいずれでもないことが確認され、かつ、抗核抗体陰性の自己免疫性肝炎が強く疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。本検査を実施した場合は、診療報酬明細書の摘要覧に抗核抗体陰性である旨を記載すること。
【文献】宮川 浩:自己免疫性肝炎II型の診断におけるチトクロ-ムP450 IID6リコンビナント蛋白を固相化した抗LKM-1抗体測定キットの有用性-4施設共同研究-,医学と薬学 44:121-130,2000

白血球中細菌核酸同定検査(準用先区分D018-4)  (区分D-1)

平成13年6月1日より適用の細菌培養同定検査
保険点数:180点     定性試験
製品名: ハイブリゼップ「SA」 ハイブリゼップ「SE」 ハイブリゼップ「PA」
     ハイブリゼップ「EF」 ハイブリゼップ「EK」など5品目
製造・発売元:扶桑薬品工業(株)  TEL:06-6969-3131
測定法:in situ  ハイブリダイゼ-ション法 10回テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:8時間00分  自動化:開発中
検体:全血
【特徴】感染症は、局所から侵入した細菌が侵入部位を足掛かりとして血液中に移行し、増殖することにより全身感染症に進展する。「ハイブリゼップ」は、白血球に貪食された菌体DNAをハイブリダイゼ-ション法により直接検出することを基本原理とする。敗血症での血液培養陽性率は10〜20%といわれ、残りの80%の患者は原因菌が同定されないまま治療が行われている。初期の敗血症では、好中球に貪食された細菌は生き残り、それが敗血症を引き起こすと考えられている。また貪食された細胞の蛋白は、約3時間で消化されるが、DNAは12時間まで残存する。このことより患者白血球中の細菌のDNAを同定すれば、敗血症の原因菌が証明できる。今回の5種類のキットを用いると、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、緑濃菌、腸球菌、大腸菌群が8時間で診断できる。
 本キットはその検出原理において起因菌の増殖を必要とせず、抗菌薬の影響を全く受けないため、本法と血液培養法の検出率はそれぞれ42.1%(123/292例)と11.0%( 32/292例)となり、検出率は血液培養法に比べ4倍と高くなる。血液培養法では、検査結果を得るまで5〜7日を要するのに対し、本キットは8時間で検査結果が得られる。
【保険請求上の注意】特になし
【文献】Shimada, J et al.: Clinical trial of in-situ hybridization method for the rapid diagnosis of sepsis. J Infect Chemother, 5:21-31,1999

結核菌群抗原精密測定(準用先区分D021-2) (区分D-1)

平成13年6月1日より適用の抗酸菌同定検査
保険点数:330点  定性検査
製品名:キャピリアTB
製造元:(株)タウンズ  TEL: 0559-25-6200
発売元:日本ベクトン・ディッキンソン(株) TEL: 03-5413-8380
測定法:免疫クロマトグラフィ-法 5テスト/キット(5回測定)シングル測定
結果がでるまでの時間:培養陽性検体入手後 15分 自動化:不可
同時再現性:100%  日差再現性:100%
検体:抗酸菌培養陽性検体
【特徴】結核菌群が特異的に菌体外に分泌するMPB64タンパクを免疫クロマトグラフィ-法により検出する。本法は、検体がメンブレン上を移動する際、検体中のMPB64と金コロイド標識抗体及びメンブレン上に固定された捕捉抗体により形成される赤紫色のラインを目視で判定する結核症は本邦で新患者が年間5万人発生し、約3千人が死亡する重篤な感染症のひとつである。特に集団発生例が報告されるようになり、1999年10月に厚生省より緊急事態宣言が発せられた。また結核菌群以外の非結核菌性抗酸菌症も近年増加にあり、結核菌群との鑑別が重要である。本品は、核酸プロ-ブ法に匹敵する感度と特異性があり、操作も簡便で短時間(15分)に結果が得られる。また、測定操作が全て安全キャビネット内で行う。本法と他法(アキュプロ-ブ結核菌群同定)と比較すると有病正診率は100%(56/56例)、無病正診率は98.2%(55/56例)であった。
【保険請求上の注意】D21抗酸菌同定検査の(1)「2」のその他の同定検査については、検査方法、培地数にかかわらず、1回のみ所定点数を算定する。
【文献】Abe,C,et al.:Simple and rapid identification of the Mycobacterium tuberculosis complex by immunochromatographic assay using anti-MPB64 monoclonal antibodies.,J Clin Microbiol, 37:3693-3697,1999

HER2/neuタンパク(準用先区分D-101)(区分D-1)

平成13年6月1日より適用の病理組織顕微鏡検査
保険点数:1120点   半定量検査
製品名:ダコ HercepTest
製造元:DAKO A/S Productionsvej 42 DK-2600 Glostrup Denmark
輸入・発売元:ダコ・ジャパン(株)  TEL: 075-211-3655
測定法:金コロイド免疫測定法 35テスト/キット, 100テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:3時間  自動化:可
検体:その他(組織:ホルマリン固定パラフィン包埋組織標本)
【特徴】抗原抗体反応を利用した免疫組織化学染色法であり、発色系の酵素としてパ-オキシダ-ゼを使用している。染色により可視化された抗原部位を、光学顕微鏡にて観察する。HER2/neu(ハ-ツ-ニユ-)遺伝子の増幅やタンパクの過剰発現は癌の早期再発や予後不良と相関し、乳癌(卵巣癌・胃癌など)の臨床経過を予測する上で有用である。特に乳癌においては、全患者の25〜30%においてHER2/neuタンパクの過剰発現がみられ、これらの患者では転移をおこしやすく、進行が早いため生存率も低い。ヒト化モノクロナ-ル抗体治療薬であるハ-セプチン(日本ロシュ社)はHER2/neuタンパクの受容体の阻害、腫瘍増殖抑制、抗体依存性細胞障害反応の誘発、抗腫瘍活性などを有する。
 本キットはこの治療対象となる患者を選別するために、組織・細胞中のHER2/neuタンパクを免疫組織化学的に染色する。陽性の場合は腫瘍細胞の膜に一致して褐色の反応が認められる。手技は、外科的切除によって採取した乳癌組織をホルマリン固定後、パラフィン包埋し、薄切した病理組織標本を用いて、HER2/neuタンパクの発現量を0, +1, +2, +3と半定量的に顕微鏡下で判定する。3枚のコントロ-ルスライドと比較し、+2以上の場合にハ-セプチンの治療対象となる。
【保険請求上の注意】特になし
【文献】Ellis, I O et al.: Recommendation for HER2 testing in the UK. J Clin Pathol, 53: 890-892, 2000

ヘリコバクター・ピロリ抗体(準用先区分D012-7)(D-2)

平成13年2月1日より適用の感染症血清反応
保険点数:70点 定性検査
基準範囲:1.00EU/mL以上陽性
製品名:ヘリテスト
製造元:Provalis Diagnostics Ltd Deeside, Flintsire, UK
輸入元:全薬工業(株)  TEL 03-3946-1111
発売元:ゼリア新薬工業(株)  TEL 03-3661-0277
測定法:金コロイド免疫測定法  1テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:15分  自動化:不可
検体:全血
【特徴】金コロイド免疫測定法により、全血中の抗ヘリコバクター・ピロリIgG抗体を定性的に検出する。ニトロセルロース製メンブランフィルター上に固定された抗原と血液中の抗体の抗原抗体複合体を形成させ、これに金コロイド標識ヤギ抗ヒトIgG抗体(発色試薬)を作用させて、結合、発色させる。
 ヘリコバクター・ピロリの除菌剤及び診断薬が承認され、保険適用されている。ヘリテストは定性キットで特別な機器を必要とせず、簡単な操作で短時間。ELISA法と比較しても感度、特異度、精度ともに遜色ない。除菌後診断には向かないが、除菌前の感染診断として有用性がある。培養法を基準として本法との相関性を見たところ、有病正診率は96.2%(51/53例)、無病正診率は81.1%(30/37例)、診断効率90.0%(81/90例)である。
【文献】奥井雅憲 他:全血を用いた血中抗Helicobacter pylori抗体検出キットZYC-101の有用性.基礎と臨床, 30 : 2093~2101, 1996

アデノウイルス抗原精密測定(咽頭粘膜上皮細胞中)(準用区分D012-23)(区分D-1)

平成13年2月1日より適用の感染症血清反応
保険点数:270点  定性検査
基準範囲:1×10/mL以上のウイルス粒子
製品名:チェックAd
製造元:SAS Scientific, Inc.  San Antonio, Texas 78240 U.S.A.
輸入元:大蔵製薬(株)  TEL:0774-20-3250
発売元:明治乳業(株)  TEL:03-3633-1557
発売元:未定
測定法:免疫クロマト法 10テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:15分    自動化:不可
検体:咽頭の拭い液
【特徴】金コロイド標識坑アデノウイルス抗体と展開面に固相化された坑アデノウイルス抗体により、検体中のアデノウイルス抗原をはさんで抗体―抗原―抗体のサンドイッチ結合物が形成されることで現れた赤色の線を肉眼的に検知する。
 アデノウイルスのヘキソタンパク中、属特異的タンパクに対するモノクロナール抗体を利用した免疫クロマト法による定性検査で特別な機器を必要とせず、短時間で結果が得られる。初診時に的確な診断を下すことができる。
 学童の集団感染と重篤例の発生の防止にも有用である。本法と分離培養法の比較では有病正診率72.6%(69/95)、無病正診率100%(74/74)であった。
【保険請求上の注意】アデノウイルス抗原精密測定(咽頭粘膜上皮細胞中)と本区分「23」のアデノウイルス抗原精密測定(角結膜上皮細胞中)を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
【文献】Hiroyuki T.et.al. : Immunochromatography Test for Rapid Diagnosis of Adenovirus Respiratory Tract Infections:Comparison with Virus Isolation in Tissue Culture: J Clin Microb, 37:2007-2009,1999

黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2'(PBP2') (準用先区分D018-6)(区分D-1)

平成13年2月1日より適用の細菌培養同定検査
保険点数:70点  定性検査
製品名:MRSA-LA「生研」
製造・発売元:デンカ生研株式会社   TEL:03-3669-9091
測定法:ラテックス凝集法
50テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間: 15 分  自動化:不可
【特徴】黄色ブドウ球菌と同定された菌をアルカリ加熱処理し、MRSAの耐性因子であるPBP2'を抽出する。抽出したPBP2'を、抗PBP2'モノクローナル抗体感作ラテックスを用いたスライドラテックス凝集法により検出する。
 院内感染の原因菌としてしばしば検出されるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は、βラクタム剤をはじめとする種々の抗生物質に耐性を示す。MRSA感染症患者に対して無効な抗生物質の投与を行うことは、かえってMRSAを選択的に増加させ症状の悪化を引き起こす。従って、患者から分離された黄色ブドウ球菌がMRSAか否かを迅速に判定することは治療薬の選択及びその効果上重要である。MRSA−LA「生研」はMRSAの耐性因子であるペニシリン結合蛋白2'(PBP2')をスライドラテックス凝集法により検出するもので、分離培養された黄色ブドウ球菌から特別な装置を要せずに約15分間でPBP2'を検出することができる。
 PCR法によるmecA遺伝子検出検査と本キットとの比較では感度96.9%(123/127株)、特異性100%(46/46株)、一致率97.7%(169/173株)であった。
【保険請求上の注意】血液培養により黄色ブドウ球菌が検出された患者を対象として測定した場合又は免疫不全状態であってMRSA感染が強く疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2'(PBP2')と区分「D023」微生物核酸同定・定量検査「4」のブドウ球菌メチシリン耐性遺伝子同定検査と併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
【文献】花木秀明、平松啓一:ラテックススライド凝集法によるペニシリン結合蛋白2'検出用キットの臨床的有用性.医学と薬学,41:749〜754,1999

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