平成13年6月1日より適用の自己抗体検査
保険点数:190点 定量検査
基準範囲:男性 130ng/mL以下, 女性 55ng/mL以下
直線性:12.5〜400ng/mL
製品名:パナクリアMMP-3
製造・発売元:富士薬品工業(株) TEL:0766-26-4423
測定法:EIA法 43テスト/キット(ダブル測定)
結果がでるまでの時間:約3時間 自動化:可
検体:血清
【特徴】MMP-3分子上の異なる部位を認識する2種類のモノクロ-ナル抗体を用いた1ステップサンドイッチEIA法である。MMP-3、抗体結合ビ-ズ酵素標識抗体反応により三者の複合体が形成される。次にこの複合体の酵素活性測定により、血清中のMMP-3濃度が求められる。わが国のRA(慢性関節リウマチ)確定患者数は33万人、RAが強く疑われる人は60万人いるといわれている。RA患者のうち進行が速いタイプは全患者の35%を占めているが、適切な治療により改善する可能性がある。
本キットは2種類のモノクロ抗体を用いたサンドイッチEIA法によりMMP-3を測定するものである。MMP-3は関節破壊を予測する因子として、RA患者の早期診断、治療、経過追跡に有用で、早期治療により関節の破壊や変形を防止し、患者の障害を少なくすることができる。RA患者の診断や治療の指標としてMMP-3、CA・RF(抗ガラクト-ス欠損IgG抗体)、RF(リウマトイド因子)などがある。RAと確定診断された患者について、これら3つの検査の有病正診率をみると、それぞれ91.7%、81.7%、70.4%とMMP-3が良好であった。また、無病正診率は、それぞれ85.9%、78.9%、83.4%であった。MMP-3が高値持続症例では関節破壊が進行している。
その他の膠原病での有病正診率は、SLEで86.7%、23.3%、3.6%、シェ-グレン症候群で40.0%、70.0%、50.0%、MCTDで54.3%、68.6%、60.6%であった。
【保険請求上の注意】D015血漿蛋白免疫学的検査の(10)「21」のIgG型リウマチ因子精密測定、「17」のC1q結合免疫複合体精密測定、「19」のC3d結合免疫複合体精密測定及び「20」のモノクロ-ナルRF結合免疫複合体精密測定ならびに区分「D014」自己抗体検査「10」の抗ガラクト-ス欠損IgG抗体精密測定およびマトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)精密測定のうち2項目以上を併せて実施した場合には、主たる点数のみを算定する。
【文献】H.Yamanaka, et al.:Serum matrix metalloproteinase 3 as predictor of the degree of destruction during the six months after measurment in patients with early rheumatoid arthritis,Arthritis & Rheumatism,43:852-858,2000